大阪・難波から関西国際空港までを結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」の台車で長さ14センチの亀裂が見つかった問題で、2年前にも今回亀裂が見つかった台車のほぼ同じ場所で亀裂が確認されていたことが28日、同社への取材で分かった。南海は台車を修繕した上で使用していたとしているが、国土交通省運輸安全委員会は関連の有無を調べる。
南海によると、ラピートでは今月見つかった2つの亀裂のほか、平成29年11月の改装工事の際に、2車両で、台車のモーターを支える台座の溶接部分計4カ所に亀裂(3・8~17・5センチ)を発見。今年4月の定期点検の際にも同様に台座の溶接部分1カ所で14センチの亀裂が見つかり、これまでに計5カ所で確認されていた。
これら5つの亀裂は点検で発見されたり長さ10センチ以下だったりしたため「重大インシデント」として認定されておらず、南海は台車を修繕して使用していた。
このうち、29年11月に見つかった4センチの亀裂は、26日に重大インシデントと認定された14センチの亀裂と同じ台車のほぼ同じ場所に生じていたことが判明。運輸安全委の足立雅和鉄道事故調査官は産経新聞の取材に「台車に問題がなかったか、これから調べたい」と話した。
運輸安全委は27日から28日にかけ、今月亀裂が見つかった車両の状況を確認するため大阪府内にある南海の車庫を調査しており、亀裂の原因などについて究明していく。