台湾で今春以降、「鳥取に旅行すると補助金が出る」とうそをつき、手付金をだまし取る詐欺事件が起きている。28日発表した鳥取県によると、現地では県の課長を装った書類も出回り、担当者は「知名度が上がったからかもしれないが、今後のインバウンド(訪日外国人)誘致に悪影響がないか心配」と困惑している。
県によると、日台の窓口機関である日本台湾交流協会から8月初めに連絡を受け、判明した。手付金名目で20万円をだまし取られた人がいたという。
県には3月、台湾人からとみられる、補助金の支払いを求めるメールも届いていた。メールには「企画書」と題した書類が添付され、県の実在の課長に似た名前や公印が使われていた。県は事情を確認しようと返信したが、相手から応答はなかった。同様の書類が、現地では出回っているとみられるという。
県は現時点で詳しい実情を把握できておらず、念のため外国人向けにインターネットで注意喚起している。
鳥取は近年、いずれも原作者が県出身のアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」や「名探偵コナン」の「聖地」などとして注目を集め、外国人旅行者が急増。国内最大級の外国人向け日本情報サイト「ガイジンポット」が実施した「2019年に外国人が訪れるべき(国内)観光地ランキング」で1位を獲得した。【阿部絢美】