「復職できない。やばい」 認可園に入れず悲鳴 無償化の名護市、複数園で1歳児募集なく

希望したのに認可保育園に入れなかった事例が今春も相次いでいる。待機児童数は減少傾向にあるものの沖縄は待機率が高く、全国で最も高い水準が続く。米軍再編交付金を財源に2018年9月から保育料を無償化する名護市では、待機児童数が高止まりしたままだ。認可園に入れなかった保護者は「今の入園システムは不公平。子どもの育ちを大事に考え、すぐに仕組みを整えてほしい」と訴える。(学芸部・嘉数よしの)
2月初旬、名護市で1歳の女児を育てる会社員の母親=40代=は市から届いた「保留通知書」に絶句した。「入園できなかったら復職できない。やばい」と焦った。
急いで市の窓口に出向いて相談したところ、希望した複数の園で保育士を確保できず、1歳児クラスの募集がなくなったことが判明した。2次で定員に空きがある園に申し込んだが、全部落ちてしまった。
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預け先を確保できそうな市町村への引っ越しも検討した。だが、市内の認可外園から「受け入れ可能」との連絡を受け、思いとどまった。
安堵(あんど)する一方で、もやもやした思いも残る。一部の認可外は無料ではなく、市の補助を受けても毎月1万円余の自己負担が生じる。「無償化しても入園できなければ本末転倒では。市には早急に対策を立ててほしい」と要望した。
21年秋に出産した自営業の母親(34)=名護市=は、出産直後から家族のサポートを得て仕事を続ける。フリーランスで産休はなく、4人の子がいるため、収入を得る必要もあった。
末っ子が1歳になり、枠が多い4月には「入園できる」と見込んでいたが、結果は「全滅」。1歳児クラスの「競争」が厳しいことに加え、育休から復職する会社員らに比べ、自営業は選考基準となる点数が低いことが要因の一つと考えられる。「すでに働いているのに、私の持ち点は高くない。働き方は多様化しているのだから基準を見直してほしい。このままでは不公平」と嘆く。
市内の認可外園に通うことになったものの、先の母親と同じく保育料の一部は自己負担。子ども4人の預け先や習い事がばらばらで、送迎の負担も大きい。
年度途中の認可園入園にいちるの望みを懸け、申し込むつもりだ。「私たちは今も困っている。この声を苦情と受け止めず、改善に力を尽くしてほしい」と望む。