第20回統一地方選・前半戦は、41道府県議選や17政令市議選などの開票結果が10日朝、出そろった。道府県議選では、日本維新の会が、地域政党・大阪維新の会との合計で、2019年前回選の67を大幅に上回る124議席を獲得し、勢力の伸長が目立った。他党は、今後の国政選などでの維新の勢いを警戒している。
維新(大阪維新を含む)は、大阪府知事選・市長選の「ダブル選」に加え、奈良県知事選も制し、大阪以外で初めて維新公認知事が誕生することになった。
前回選に続き、大阪府議選(定数79)で単独過半数となる55議席を獲得し、大阪市議選(同81)でも初めての単独過半数となる46議席を得た。
維新はかねて地盤の関西圏で強さを発揮してきたが、今回の統一選では、関西以外の群馬、栃木、香川の各県議選で初めて議席を獲得するなど、悲願である「全国政党化」への足がかりをつかんだとの見方が出ている。維新の藤田幹事長は10日午前、取材に対し、「全国政党を目指す上で非常に大きな一歩になった」と語った。
本拠地・大阪では、すでに首長や国会議員、地方議員を基盤とした強固な地方組織を築いており、今後は大阪以外でもこうした組織作りに注力する構えだ。
維新は、22年9月に結党10年を迎えた。第3極などの「新党ブーム」は、政治の激動期に生まれては消える歴史を繰り返し、「長続きしない」(自民党ベテラン)との意見も出ていた。
今回の統一選で、維新は「地方議員600人以上」を目標とし、達成できない場合には馬場代表が辞任する考えを表明している。23日に投票日を迎える後半戦(一般市の市議選など)の結果にも注目が集まる。
一方、岸田首相は10日午前、統一地方選・前半戦に関して、「自民党、与党に対する激励や期待の声をしっかり受け止めながらも、引き続き気を引き締めて対応しなければならない」と首相官邸で記者団に語った。自民内では、維新の躍進について「どう勢力を伸ばしているのか見極めながら、(対応を)考えていかなければいけない」(森山裕選挙対策委員長)と警戒する声が出ている。
維新は、今回の統一選を「次期衆院選での野党第1党奪取に向けた重要な選挙」(馬場氏)とも位置づけて、選挙戦に臨んだ。現在の野党第1党である立憲民主党の大串博志選対委員長は10日午前、「維新に勢いがあるのは客観的な事実だ。自分たちの議席を伸ばすように頑張りたい」と記者団に語った。
一方、41道府県議選(総定数2260)での自民党の占有率は、51・0%(1153議席)で前回の50・9%とほぼ同水準だった。2015年の前々回、19年の前回に続き、3回連続で過半数を獲得した。公明党は、道府県議選のうち、愛知県で落選者が出た。
◇
総務省によると、41道府県議選の平均投票率は、過去最低だった前回2019年を2・17ポイント下回る41・85%だった。9道府県知事選の平均投票率は46・78%で、過去最低だった2015年(10道県で知事選実施)の47・14%を下回った。
女性当選者は316人となり、過去最多だった19年の237人から大幅に増えた。