広域強盗事件に関与した容疑者が次々と逮捕されるなか、異なる詐欺被害が広がり続けている。「ルフィ」に警察がかかりきりなのをいいことに詐欺師が跋扈しているのだ。水面下で被害者を増やし続ける新たな詐欺の実態を探った。 ◆「ルフィ」に注力する警察の影響で詐欺バブル状態に!? 一連の広域強盗事件の指示役“ルフィ”が逮捕されてから約3ヶ月、なおも物騒な事件が相次いでいる。6都県16件の強盗・窃盗事件に関与した疑いで19歳の少年3人が逮捕されるなど、ルフィ一味とは異なるグループの犯行も多発している。 おのずと人々の防犯意識は高まっているが……その姿勢をあざ笑うように犯罪グループは悪事に手を染め続けているという。 仮想通貨を利用した詐欺を仕かけてきたグループの一人が話す。 「広域強盗事件に対して警察は広域連携で捜査に当たっている。要は、強盗事件にかかりきり。だから、かえって詐欺がしやすくなっている。ある種の詐欺バブル状態」 ◆高利回りを謳うNFT投資で100億円!? この人物が関与する仮想通貨プロジェクトは1年足らずで100億円以上のカネを集めているという。 「独自トークンを、我々がつくった海外の仮想通貨取引所に預けてくれれば、月利40%のリターンがありますよ、と謳ってカネを集めている。ただし、日本国内では独自トークンを売りつけてカネを集めると資金決済法違反になるので、NFT(非代替性トークン)も利用している。 適当なイラストがついた高額なNFTを買うと、トークンが“タダ”でもらえるという仕組みです。NFTを売るのは合法なので」 ◆オレオレ詐欺をやっていた連中が主要プレーヤー 昔からある詐欺プロジェクトと大差なさそうだが、“プレーヤー”は大きく異なる。 「マルチの人間を利用して仮想通貨をばら撒くのが一般的だったけど、今回の案件ではオレオレ詐欺をやっていた連中が主要プレーヤー。彼らは直接、高齢者に電話をかけて口説き落とすスキルを持っている。マルチのヤツらがリーチできない層にアプローチできるうえに、SNSを通じてカモを集めたりしないから炎上&事件化のリスクが小さい。 実際、本当に40%前後の月利を出してるから、高齢者は喜んで投資額を増やしてる。ただし、新規に流入するカネが細ってきたら黄信号。これまでの詐欺案件同様、運営側はハッキング被害をでっち上げて出金不能状態にしてカネを持ち逃げするだろうから」