研究目的でオーストラリアに渡り、現地の博物館で長年保管されていたアイヌ民族の遺骨4体が日本側に返還され、新千歳空港に8日到着した。現地で引き渡しを受けた北海道アイヌ協会の大川勝理事長は「ようやく故郷に帰ることができて喜んでいると思う」と述べた。
遺骨はいずれも北海道や南樺太(サハリン)で見つかった頭骨で、1910~30年代に研究目的で豪に譲渡された。博物館で保管されていたことが2017年に判明し、返還に向け交渉が行われていた。外交ルートを通じたアイヌ民族の遺骨返還は2例目。
返還された4体のうち3体は北海道白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で保管され、1体はアイヌ団体に引き渡す方向で調整が進んでいる。
[時事通信社]