主要7カ国首脳会議(G7サミット)が広島市で開催されるまで12日であと1週間。世界遺産・厳島神社のある宮島(広島県廿日市市)などの観光関係者からは戸惑いと期待の声が上がる。
首脳たちが来訪する方向で調整が進む宮島は18~20日、一般観光客の入島が規制される見込みだ。「サミットの意義は理解するし応援したいが、観光シーズンに休業を強いられ、痛手だ」。宮島の土産物店「鳥居屋」の佐々木健一社長(46)は嘆く。5月は修学旅行生らが多く訪れるが、県などから期間中の休業要請があり、臨時休業を決めた。「休業補償はなく何とかならないかと思うが、台風が来たと考えるしかない」と語る。
「宮島コーラルホテル」(92室)は期間中、館内の飲食店2店のうち1店を休業し、1店はサミット関係者のために開店する。期間中に予約した一般客に電話やメールで、入島が制限されることや交通事情を説明しているという。田村義和支配人は「新型コロナウイルスほどの大打撃はなさそうだが、現時点で経済効果は予測しにくい」と話す。
県観光連盟は、県内の名所や特産品を英語字幕で紹介する動画4本を作った。担当者は「期間中は一般観光客の受け入れはできなくなるが、閉幕後の観光客増加につながってほしい」と期待する。【高木香奈】