お好み焼きだけじゃない…和牛にサーモン、地元食材で「広島グルメ」発信

G7広島サミットが開かれる広島県は、南に瀬戸内海、北に中国山地が広がり、多彩な食材が自慢だ。県内の生産者団体などは2月から、美食の数々を国内外に発信する「おいしい!広島」プロジェクトを進めており、ここぞとばかりにPRに力を入れている。(広島総局 豆塚円香)
地元食材の「サミット」開催

県内で格式の高いホテルとして知られ、サミット関係者らも宿泊する広島市中区のリーガロイヤルホテル広島は5月8日、「おいしい!広島 美食サミット」をスタートさせた。ホテル内の店が地元食材を使った新メニューを考案し、6月30日まで提供する。
県主催の試食商談会などをきっかけに集まった食材や加工品は約30種類。腕利きの調理師らが、広島和牛「 元就 (もとなり)」を巻いたナスの素揚げ(日本料理 鯉城)、県産レモンを餌に混ぜて育てた広島サーモンのマリネ(鉄板焼なにわ)、福山市の瀬戸牧場で育った瀬戸のもち豚スペアリブの柔らか蒸し(チャイニーズダイニング リュウ)――などを完成させた。
4月下旬、生産者らを招いた試食会が開かれた。広島サーモンを販売する広島水産(広島市西区)専任課長の坂東豊さん(56)は、すべて試食し、「うちのサーモンはもちろん、どの料理も素晴らしい。サミットが世界に発信してくれれば」と満足そうに語った。
ホテルの室敏幸・総支配人は「サミットを観光回復に向けた起爆剤に」と、コロナ禍で苦しんだホテル業界のにぎわいを期待する。
昨年はバイデン米大統領が

食肉の生産者や卸売業者は、観光客に広島和牛を食べてもらおうと、PR企画「Hiroshima Gyu7(ヒロシマギュウセブン)」を始めた。特設サイトで動画を公開し、提供する飲食店を紹介している。
広島和牛のブランドは、肉質や血統、地域によって「広島牛」「元就」「 比婆 (ひば)牛」「神石牛」の4種類に分けられる。神石牛は、昨年5月の日米首脳会談で来日したバイデン大統領が食べたことで話題になった。
4月11日には、食肉市場の見学と試食の催しがあり、記者も参加した。ホットプレートで焼いてくれる市場関係者に特徴を聞くと、「食べればわかる」と余裕の笑み。塩をつけて口に入れると、脂の甘さに驚いた。
「すみません、もう一つ」。思わず手が伸びた。