住民に補償金払う方針 水道水から発がん性物質「ベンゼン」問題 北海道・室蘭市

北海道室蘭市のガソリンスタンドからガソリンが漏れ、水道水から発がん性物質が検出された問題。住民説明会で最大200万円の補償を支払う方針が示されましたが、住民の不安は収まりません。
室蘭市高砂町の住民たちは以前から、自宅の水道水の味に「違和感」を持っていたそうです。
元住民の男性)
「飲んだら頭が痛くなった。あと、味が変だった」
去年7月、住宅街に隣接するガソリンスタンドからガソリンが漏れていたことが発覚。周辺の水道水から発がん性物質の「ベンゼン」が検出されたのです。室蘭市が行った健康調査の結果、住民7人からベンゼンを体内に取り込んだ可能性を示す数値が検出され、そのうち1人は、「慢性骨髄性白血病」を患っていました。
富永誌衣那記者)
「いま住人の方が中に入っていきました。建物の中では住人に対する個別の説明会が行われています」
この週末、室蘭市と「ENEOS」、「北海道エネルギー」が開いた住民説明会。HTBは、その会場の音声を入手しました。
「本当に悪いとおもっているのかなという」「ただお金を渡しておけばいいやと思っている感しか見えていないのは残念」
説明に立った業者)
「個別に言っていただけたらいろんなご要望をお伺いして、それに対してどういうふうにしますとお返事をしていこうと思っていますので。どうぞよろしくお願いします」
説明会では、住んでいた期間などに応じて、住民1人あたり50万円から200万円の補償金を支払う方針が示されましたが、住民の多くは納得していません。
住民)
「住民に対してそこまで考えていないなというのがやっぱり見えてしまう。健康調査するのもいいですけど自分たちを避難させてほしい」
室蘭市和野泰始公営企業管理者)
「健康の部分と同じく想定していないような事情があった場合は誠実に対応していく」
現場周辺ではこれまでガソリンの成分が浸透するポリエチレン製の水道管が使われていましたが、先週末から新たに鋳鉄製の管に入れ替える工事が始まりました。工事は7月中旬には終了する予定です。