三重・坂手島でネットや電話使えず 海底ケーブル不通、原因不明

三重県鳥羽市の離島・坂手島と本土とを結ぶケーブルテレビ会社の海底ケーブルが不通になり、同社の回線を使ったケーブルテレビやインターネット、電話などが14日深夜から利用できなくなっていることが22日、同市への取材で判明した。ケーブルが切断されたとみられるが、原因は分かっていない。
市によると、海底ケーブルはZTV(津市)の専用回線で、全長674メートル。同社の記録から5月14日午後11時過ぎに通信が途絶えた。同島の185世帯中、109世帯でテレビの視聴ができなくなったほか、21回線のインターネットや38台の固定電話が使用できなくなった。携帯電話や、ZTV以外の通信会社の回線には異常がないという。
このため、同島の市立坂手診療所では医師用パソコンが使えずにタブレット端末で対応している。また、鳥羽磯部漁協坂手支所の会計システムが機能せず、魚介類の売買に支障が出るなどの被害が出ている。
ZTVは市の問い合わせなどに対し、テレビは25日をめどに仮復旧すると回答したが、インターネットと電話については今のところ不明としている。中村欣一郎市長は「ZTVに対し早期復旧を指導したい。島民には防災無線で現状報告をするとともに、町内会と連携し対応策を考えたい」と話した。ZTVは「島民の方々には迷惑をかけ深くおわびします。早期の仮復旧に全力を挙げたい」と話している。
2012年4月には、同市の離島・神島と結ぶ海底ケーブルの切断事故があり、完全復旧するまで約3年かかった。また神島では07年10月に、海底の送水管が損壊し断水する事故が起きている。【林一茂】