去年5月、出産直後の赤ちゃんを殺害した上、JR千歳駅のコインロッカーに放置した罪に問われている女の控訴審で、23日午前、札幌高裁は控訴を棄却し、1審の懲役5年の判決を支持しました。
住所不定・無職の小関彩乃(こせきあやの)被告23歳は、去年5月、札幌市中央区のホテルで出産直後の男の赤ちゃんを湯船に沈めて殺害した上、遺体をJR千歳駅のコインロッカーに放置した殺人と死体遺棄の罪に問われています。
1審の冒頭陳述などによりますと、山形県で生まれ育った小関被告は、マッチングアプリで知り合った仙台市の男子大学生と交際、実家を飛び出し、仙台市で暮らし始めました。
その際、デリバリーヘルスで働き、競馬で奨学金を使い込んだ交際男性に資金援助し、自身の家賃も度々滞納するようになります。
そして、客の子どもを妊娠しましたが、大学を卒業した交際男性が札幌市に行くのに先立ち、去年3月から札幌市で暮らすようになりました。
妊娠を交際男性に告げることができず、札幌市でも、収入は、マッチングアプリを利用した売春で、ネットカフェや交際男性の住宅を転々とし、犯行に及んでいました。
1審で小関被告は懲役5年の判決を受けていましたが、控訴。
弁護側は「被告の発達障害などの特性を考慮しなかったのは、事実誤認にあたる」などとして保護観察付きの執行猶予判決を求めていました。
23日午前の控訴審判決で札幌高裁は、小関被告の控訴を棄却、1審の懲役5年の判決を支持しました。
その理由として、「1審の判決は、被告の特性(いじめを受けていた、発達障害など)も踏まえた量刑となっていて、事実誤認ではなく、量刑も不当ではない」としました。
その上で、裁判長から「どうするべきだったか、なぜ、それができなかったのかをしっかり考えてください。亡くなった子のため、どう生きていくか考えてください」と声をかけられると、小関被告は号泣していました。