5月29日(月)6時現在、大型で非常に強い台風2号(マーワー)はフィリピンの東を北西に進んでいます。台風は徐々に北寄りに進路を変えて、週中頃から強い勢力で沖縄に接近する見込みです。沖縄では大雨や暴風、高波などの影響が長く続くおそれがあります。荒天への備えは早めに済ませるようにしてください。その後の進路はまだ特定することが難しいため、今後の台風情報に注意が必要です。▼台風2号 5月29日(月)6時 中心位置 フィリピンの東 大きさ階級 大型 強さ階級 非常に強い 移動 北西 15 km/h 中心気圧 950 hPa 最大風速 45 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 60 m/s
沖縄では波が高く、大しけに
波の予想 5月30日(火)21時
台風の中心はまだ日本から離れているものの、沖縄では波の高い状態が続いています。また、風も10m/s近い強風が吹いている状況です。今日からはさらに影響が大きくなる見込みで、特に午後以降は先島諸島を中心に大しけとなる予想です。うねりも加わり、非常に波の高い状態となります。海岸には近づかないようにしてください。また、先島諸島では明日30日(火)以降は暴風が続くおそれがあります。台風の動きが遅くなるため、沖縄や奄美への影響は次の週末頃にかけて長引く見通しです。流通が止まる可能性もあるため、長期間の荒天への備えを早めに行うようにしてください。
この先の進路は高気圧次第
予想天気図と上空の風の予想 5月30日(火)
台風2号は、今日29日(月)朝の時点では高気圧の周囲をまわる風の流れに乗って、西寄りに移動しています。しかし、西進した先には高気圧があり進路を塞いでいるため、次第に減速してゆっくりと北寄りに進路を変える見込みです。秋の台風を押し流すジェット気流は北日本付近を流れているため、この時点ではジェットに乗ることはできず、速度が上がることはない予想です。その後は台風を移動させる上空の風が周辺では弱いために、進路の予想が非常に難しくなっています。高気圧の縁に沿って北東に移動し始める可能性も、そのまま数日間沖縄周辺で迷走する可能性も、どちらも考えられる状況です。
世界の気象機関の予測
参考 世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した進路のシミュレーション結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にはかなりの幅があるということをイメージするために掲載しています。これらのメンバーを比較すると、沖縄の南に進む所までは予測の誤差がほとんどない状態で予報の正確性が高いといえますが、その後は沖縄周辺で複雑な動きが予測されていて、半数程度のメンバーは本州の南を北東進する予想となっています。日が近づくにつれて誤差は縮小し予測が定まってくる見込みですので、今後も随時新しい情報を入手するようにしてください。
台風の暴風域に入る確率
120時間以内に台風の暴風域に入る確率は以下の通りです。(気象庁) 奄美地方 4 % 沖縄本島地方 18 % 本島北部・中南部 11 % 慶良間・粟国諸島 15 % 久米島 18 % 宮古島地方 57 % 八重山地方 63 % 石垣島地方 63 % 与那国島地方 41 %
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風2号の名前「マーワー(Mawar)」はマレーシアが提案した名称で、マレー語の「ばら」を意味する語からとられています。