KADOKAWA元専務、五輪汚職初公判で起訴事実認める

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(79)(受託収賄罪で起訴)に対する贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」元専務・芳原 世幸 (としゆき)被告(65)の初公判が1日、東京地裁(中尾佳久裁判長)であり、芳原被告は起訴事実を認めた。
起訴状によると、芳原被告は同社前会長・角川 歴彦 (つぐひこ)(79)、元担当室長・ 馬庭 (まにわ)教二(63)両被告(いずれも贈賄罪で起訴)と共謀し、KADOKAWAが大会スポンサーに選定されるよう高橋被告に依頼。便宜を図ってもらった謝礼などとして、2019年9月~21年1月、高橋被告に計6909万円を提供したとしている。
検察側は冒頭陳述で、芳原被告は、スポンサーになることに強い意欲を持っていた角川被告の意向を受け、高橋被告に依頼を重ねたと指摘。16年10月に高橋被告側から対価を求められた際、資金提供の違法性を懸念したものの、最終的には「角川会長の了承を得た決定事項」として支払いに応じたと主張した。
KADOKAWAルートで、検察側は5月10日の公判で馬庭被告に懲役2年を求刑。角川被告は4月に保釈されたが、初公判の期日は決まっていない。