浜田防衛相は1日午前、米国のオースティン国防長官と防衛省で会談した。両氏は、北朝鮮が予告している「軍事偵察衛星」の打ち上げについて、韓国も含めた3か国で連携して対処する方針を確認した。中国を念頭に、日米同盟の抑止力・対処力を強化する考えでも一致した。
浜田氏は会談の冒頭、北朝鮮による5月31日の「衛星」打ち上げについて、「強く非難する」と述べた。北朝鮮は、打ち上げに失敗し、早急に2回目を発射するとしており、浜田氏は、「さらなる発射を行う可能性がある中、日米・日米韓の連携を強化していく必要がある」と語った。米国の「核の傘」を含む拡大抑止の重要性も指摘した。
オースティン氏は「米国の日本に対するコミットメント(関与)は揺るぎない。鉄壁だ」と強調した。北朝鮮の「衛星」打ち上げには、弾道ミサイル技術が活用されており、日米両政府は、核・ミサイル能力が向上することを警戒している。
日米韓3か国は、日韓両国のレーダーシステムを米国経由で連結し、ミサイル関連情報を即時共有する方針だ。2~4日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議に合わせ、日米韓防衛相会談を行う予定で、オースティン氏は「3か国の協力に重要な進展がある」と表明した。
両氏は、軍事力を増強する中国への対応策も協議した。オースティン氏は「中国による威圧的行動」は日米の共通課題だと述べ、日本が自衛目的で敵のミサイル発射基地などを攻撃する「反撃能力」の保有を決定したことを歓迎した。会談では、有事における日米の役割分担などについても意見が交わされ、オースティン氏は会談後の共同記者会見で、「共同訓練によってさらに相互運用性を高めていく」と語った。