インターネットの動画投稿サイトで芸能人らを脅迫したなどとして、警視庁は4日、暴力行為法違反(常習的脅迫)や強要、名誉毀損(きそん)などの疑いで前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)を逮捕した。滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から航空機で成田空港に同日夕に到着。警視庁は到着後に逮捕状を執行した。ガーシー容疑者は高級Tシャツ姿で現れ、終始笑顔を浮かべながら警視庁に移送された。
ガーシー容疑者を乗せたドバイ発のエミレーツ機は午後5時7分、成田空港に着陸。捜査員が空港内で逮捕状を執行した。同45分頃、待ち構えた約80人の報道陣の前に容疑者が姿を現すと、カメラのフラッシュが一斉にたかれた。
金髪に無精ひげのガーシー容疑者は、ピカチュウのイラストが描かれた高級ブランドの6万円超のTシャツに短パン、サンダル姿。手錠をかけられ捜査員に囲まれながらも、終始笑顔で、時折何かをつぶやくように口を動かした。その後、地下駐車場で警視庁本部へ移送されるための白いワゴン車へ乗り込んだが、記者からの問いかけには無言のまま。午後8時20分頃、車内で顔を隠すことなく庁内に入った。
同機に乗り合わせた20代女性によると、ガーシー容疑者はエコノミークラスだったといい、「青いポケモンのTシャツを着ていて目立っていた。スマートフォンをいじってリラックスした様子でした。特に機内で混乱はなかった」と明かした。一方で気づかなかった乗客も多く、40代男性は「友人に『ガーシーが同じ飛行機に乗っていて逮捕されたらしい』と聞いて驚いた」と話した。
捜査関係者によると、ガーシー容疑者は4月、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配されていた。旅券は4月に失効。日本とUAEとの間に犯罪人引き渡し条約はなく、当初の手配は現地当局に所在などに関する情報を求める内容だったが、その後、引き渡しを前提に身柄の拘束を求める内容に切り替わった。現地当局に捜査協力と早期帰国を働きかけるため日本の警察当局は5月に捜査員をUAEへ派遣。航空機に捜査員は同乗していなかった。
警視庁は帰国の経緯について「UAE当局が措置を講じた結果で、自主的な帰国ではない」と説明したが、詳細は「相手国との関係がある」として明らかにしなかった。
逮捕容疑は昨年2~8月、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、俳優・綾野剛(41)やジュエリーデザイナー・福谷公男さん(47)ら3人を脅したほか、うち1人の事業活動を妨害し、撤退するよう強要した疑い。警視庁は認否を明らかにしていない。
容疑者は昨年7月の参院選比例代表で旧NHK党から初当選。一度も登院せず、今年3月15日に参院本会議で除名された。警視庁は除名の翌日に逮捕状を取得。容疑者は逮捕状請求が明らかになって以降、ネット上での配信で「日本には帰らない」と繰り返していた。福谷さんは逮捕を受けて、「私に関する配信内容が事実無根だったと一日も早く明らかになることを希望する」とのコメントを発表した。
〇…ガーシー容疑者を担当する高橋裕樹弁護士がこの日夜、本人と約1時間接見したとYouTubeチャンネルで報告した。ガーシー容疑者とは頻繁に連絡をとっていたといい、「『日本に来てホッとした気持ちが強い』と言っていました」。また、「開口一番、『子供の頃からずっと(週刊少年)ジャンプを読んでいるので、差し入れができるならジャンプをお願いします』と言われました」とも明かした。