前参院議員のガーシーこと東谷義和容疑者(51)が4日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイから帰国し、警視庁に逮捕された。逮捕状が出てから約2か月半。「一生帰国しない」と明言する東谷容疑者の逮捕に向け、警察当局は国際手配やSNS凍結、現地当局への働きかけを通じて包囲網を狭めていた。
「UAE当局への粘り強い働きかけによって、事実上の国外退去処分につながった」。警視庁幹部は4日、そう語った。
東谷容疑者は2021年にUAEに入国。22年2月以降、過去に交流があった著名人らの裏話をする「暴露系ユーチューバー」として注目された。警視庁は動画配信で多額の広告収入を得ていたとみている。
芸能人らから告訴状の提出を受け、警視庁は昨年12月以降、任意の事情聴取を要請。東谷容疑者が応じなかったため、参院議員を「除名」された後の今年3月、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉 毀損 (きそん)容疑などで逮捕状を取得した。これに対し、東谷容疑者はネット上で「一生帰国しない」と宣言した。
警視庁は東谷容疑者が自ら帰国する可能性は低いとみて国際手配の手続きを進め、外務省を通じて旅券も失効させた。だが、東谷容疑者は10年間の滞在が認められるビザを現地で取得しており、身柄の送還が実現するかどうかは現地当局の判断次第だった。
そこで警視庁は、まずSNSのアカウントを凍結するよう複数の運営会社に要請。これにより、東谷容疑者が外部に発信する機会は大幅に減少した。5月下旬には捜査員をUAEに派遣して現地当局に事件の悪質性を説明し、早期の送還に向けた協力を要請した。国際手配も、所在確認を求める「青手配」から、身柄拘束を求める「赤手配」に切り替えていた。
UAE側はこうした経緯を踏まえ、国外退去処分に踏み切ったとみられる。4日夕、成田空港に到着した東谷容疑者はTシャツに短パン、サンダル姿で、急きょの帰国だったことがうかがえた。警視庁は今後、動画での発言の意図などを東谷容疑者に確認する。