《秋田48歳女性死体遺棄》「田中聖くんもクスリで捕まったから…」右腕にタトゥー“ヤク中”の元ヤクザ(48)の粗暴な手口と、共に逮捕された34歳元妻容疑者の“いき過ぎた慈愛”とは…

《秋田コンクリートづめ遺体》「薬物使用で死亡か?」遺体発見の土地を所有する40代暴力団関係者の妻を直撃! 女は本で顔を隠し… から続く
先月、秋田県秋田市の雑木林で、地中から木箱に入った女性の遺体が発見された事件。警視庁は7日、元暴力団員の井上大輔容疑者(48)と元妻の土岐菜夏容疑者(34)ら5人を死体遺棄の疑いで逮捕した。
遺体で見つかったのは、2021年6月から行方がわからなくなっていた、風俗店従業員で当時48歳の加藤しのぶさんだった。加藤さんをめぐっては、息子が自身のTwitterや人気YouTuberの動画などで情報提供を呼びかけ、翌7月には警視庁に行方不明者届を提出していた。
一方、井上容疑者は“クスリ”の常習者で、加藤さんが亡くなった理由も薬物の使用が疑われている。そして、死体遺棄に一緒に加わったとみられる土岐容疑者はそんな“ヤク中”の元夫に寛容だったという。土岐容疑者が井上容疑者に惚れ込んだ意外な理由とは何か――。2人の素顔に迫る。( 前回 を読む)
遺体は7月に川口市のコンテナに隠され、9月ごろ秋田に運ばれたか…
まずは事件を振り返っておこう。警視庁担当記者が解説する。
「今年の5月9日に、秋田市の雑木林の地中から木箱に入った女性の遺体が発見されました。この遺体がのちに加藤さんだと特定されました。埼玉や東京に拠点がある熟女系デリヘルで働くために上京していた加藤さんは、2021年の6月末に埼玉県川口市内のホテルで井上容疑者と面会したのを最後に行方不明になっていました。
警視庁は加藤さんがホテルの室内で井上容疑者となんらかの薬物を摂取し、死亡したとみています。遺体は7月ごろには川口市のコンテナに隠されていましたが、9月ごろに秋田まで運んで埋めたとみられます」
井上容疑者と土岐容疑者のほかに逮捕されたのは、菅原和宏容疑者(44)、飯田翔容疑者(29)と下田陸朗容疑者(26)。3人は、井上容疑者が当時働いていた引っ越し業者の同僚だという。
「コンテナは菅原容疑者の会社名義で7月上旬ごろに借りていたようです。秋田へは井上容疑者がレンタカーのトラックで運び、その後、下田容疑者をのぞく3人と秋田市内で合流したとみられています。警視庁はそれぞれの役割を慎重に捜査しています」(同前)
加藤さんの遺体が埋められていた土地の登記によると、土岐容疑者の名義で購入されたのは、加藤さんが行方不明になった半年後の12月のこと。秋田が現場となった背景には、土岐容疑者が関係していたとみられる。
「旦那は覚醒剤でつかまってるの」「薬を買うために女性と関係をもって貢がせていた」
「土岐容疑者は秋田出身。遺体が見つかった土地は、土岐容疑者の実家から車で30分もかからないくらいの場所にあります。そのため、このあたりに土地勘があったのでしょう。彼女は上京後は、さいたま市のリラクゼーションサロンでセラピストとして働いていました」(社会部記者)
約半年ほど前に、リラクゼーションサロンで土岐容疑者に施術してもらっていたというA子さんは次のように話す。
「セラピストとしての腕が本当にすごくて、施術してもらうと体調がよくなったんです。2、3回目くらいに会ったころかな。ご主人のお話をされて、『旦那は覚醒剤でつかまってるの』って話してました。『クスリを買うために女性と関係をもって貢がせていた』とも言っていました。深くは聞かなかったけど、どうやらご主人のスマホを見たら、いろんな女性との怪しいやり取りがあったみたいです」
「夫は家族がいなくて天涯孤独だから私がいないとかわいそう」
この“旦那”とは、今回の事件で同じく逮捕された井上大輔容疑者のことだ。井上容疑者は2021年11月に埼玉県警により覚醒剤取締法違反の罪で実刑判決を受けて、網走刑務所に服役中だ。
土岐容疑者の知人が語る。
「月に1、2回程度、土岐ちゃんはご主人がいる網走刑務所に面会に行ったり、手紙を送ったりと健気でしたね。ちょうどGo Toトラベルキャンペーンをやっていたころだったから『安く行けるの』と北海道には2泊くらいで行っていたみたいです。北海道のお土産でジャガイモを買ってきてくれるような優しい子でしたよ。
ご主人のこと『このまま待ってるの? 離婚しないの?』と聞くと、『夫は家族がいなくて天涯孤独だから私がいないとかわいそうだから』って。ずいぶん一途な子だなと思っていました」
元暴力団組員の男とリラクゼーションサロン経営者をつなげるものは、一体なんだったのだろうか。
「田中聖のファンだから、旦那のことが好きなのは仕方ないかな」
「土岐ちゃんは元KAT-TUNの田中聖のファンだと言っていました。彼も覚醒剤で逮捕されたでしょう。『だから旦那のことが好きなのは仕方ないかな』って笑っていましたね。一緒にお酒を飲んだときには『旦那はエッチがうまいの』っていう下ネタなんかも話していました」(同前)
井上容疑者と出会う前の土岐容疑者には、長崎で平和ボランティアに携わり、メディアにも取り上げられるなど、もう一つの顔があった。
〈土岐さんは4月、長崎市に引っ越してきた。大学で発展途上国の飢餓問題を知り、「亡くなる子を放ったまま栄養士になっていいの」と思った。「戦争が飢餓を生む。そうだ、平和だ。広島、長崎だ」。秋田と同じ日本海側に近いと、長崎の診療所に就職した。被爆体験記の朗読ボランティア講座に通い始めた〉(朝日新聞朝刊2012年8月6日付)
別の朝日新聞の記事でも、〈秋田市出身で大学時代にマザー・テレサの本を読み、平和に目覚めて長崎に来た〉と紹介されている。
“マザー・テレサ”のように優しかった土岐容疑者
土岐容疑者と同じアパートに住む70代男性は、土岐容疑者の“マザー・テレサ”的な行動を覚えていた。
「土岐さんとは同郷だったから、会えば話すような仲でした。何年かの夏場にうちのエアコンが壊れて困ってるって話をしたら、すぐに『これ使って』って冷風機と保冷剤を持ってきてくれたことがあって、優しい子だなと思いましたよ」
そんな“優しい子”のもとを、4年ほど前から“堅気ではなさそうな彼氏”が頻繁に訪れていたという。男性が続ける。
「土岐さんの彼氏は、黒塗りのベンツとかセダンの高級車でやってくるから、もしかしたら堅気じゃないのかなとは思ってたけどね。秋田の田舎から出てきて、悪い男につかまっちゃったんじゃないかってちょっと心配していたんだ」
そして1年半ほど前、土岐容疑者と次のようなやり取りをしたという。
クスリをキメて、朝3時にテレクラに電話していた井上容疑者
「『東川口に引っ越すことになった』って言うから、例の彼氏と結婚するんだと思って喜んでたんだけど、1カ月もしないうちにまたアパートに戻ってきたんだよ。東川口が合わなかったのかと思って、深くは聞かなかったけどね。その後、彼氏の姿も見かけなくなった」
この住民男性がいう土岐容疑者の彼氏とは、井上容疑者だとみられる。姿を見せなくなる少し前に井上容疑者と出会ったというB子さんが、井上容疑者とのおぞましい体験を語る。
「そもそもの井上との出会いは2021年3月ごろのことです。当時、テレクラで仕事していて、井上がお客さんだったんです。井上は平日の深夜から朝方に近い時間によく電話をかけてきました。朝3時とか4時半ごろに、テンション高い話しぶりで、『デリヘル嬢がいたんだけど時間で帰っちゃって』と、欲望が満たされないから電話をかけてきていました。クスリでもやってるのかと聞くと『効いちゃってる』って言ってました」
井上容疑者がラブホに着くなり覚せい剤を注射
2人は電話での会話だけでなく、実際に会うことになったという。B子さんが続ける。
「『東川口駅に来てくれ』と言われて向かうと、確か黒の軽ワゴン車で駅まで迎えに来ました。ラブホの部屋に着くなり井上は、効き目が違ういろんな種類の覚醒剤を取り出して注射していました。
その後すぐに、私も覚醒剤を強要されて腕に打たれました。量を入れられすぎたのか、しばらくしてから頭がガンガン痛くなりました。幸い特に健康面で問題は起きませんでしたが……」
遺体で見つかった加藤さんも井上容疑者に出会い、覚醒剤をめぐって事件に巻き込まれてしまったのだろうか。真相の解明が待たれる。
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「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。
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「突然、羽交い絞めにしたあと服を脱がされ…」《秋田48歳女性死体遺棄》ヤク中の元ヤクザ(48)の共犯・34歳元妻容疑者が犯した“壮絶イジメの実態”「彼女の本性はサイコパス」 へ続く
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))