遺族「本当に舐めた感じ」 殺人事件の裁判で医師証言「統合失調症装った可能性高い」

13年前に神戸市で男子高校生を殺害した罪に問われている男の裁判で、被告の精神鑑定をした医師が「犯行当時、精神障害はなかった」と証言しました。 事件当時17歳だった男(30)は、13年前に神戸市北区の路上で高校2年生だった堤将太さん(当時16歳)をナイフで刺して殺害した罪に問われています。 これまでの裁判で男は殺意を否認。弁護側は、事件当時は幻聴が聞こえるなどして「心神耗弱状態」だったと主張して、殺意の有無や刑事責任能力の程度が争点となっています。 6月9日の裁判では男の精神鑑定をした医師の証人尋問が行われました。 医師は▼男が主張する幻聴や妄想には病的な特徴がなく、睡眠や食欲など日常生活にも影響がなかったこと、▼病的な症状があるかのように供述が変遷していること、を指摘。「犯行当時、男に精神障害はなかった」とした上で「誇張や虚言で症状を偽装し、統合失調症を装った可能性が非常に高い」と述べました。 裁判終了後、会見した堤将太さんの父親は次のように話しました。 (堤将太さんの父・敏さん) 「新しく自分で作り出したストーリーを当てはめて、それで公判を乗り切ろうかというぐらいの、本当に舐めた感じでやっていたんかなと思います。自分の嘘をつき通すために被害者をもっともっと陥れるような言葉を言っているんだから、本当に許せませんよね」 6月12日には検察側の論告求刑が行われます。