児童移動のバス不足、プールがある学校も今夏の授業を中止します…「教育格差が生じるから」

北海道函館市教育委員会は7日、市立小学校39校の全校で今年度のプール授業を中止すると発表した。バスの運転手が不足し、プールのない学校の児童が近隣校に移動できなくなったのが理由だ。
市教委によると、市内では20の市立小学校にプールが設置されていない。2020年度から新型コロナウイルスの影響で体育のプール授業を取りやめていたが、先月に感染症法上の分類が5類に移行したことから、今夏は4年ぶりの実施に向け準備を進めていた。
ところが、長引いたコロナ禍で観光需要が大幅に縮小したためバス運転手の転職が相次ぎ、運転手の人数が減った。その上、今年に入り市内の観光客数が回復して観光用のバス需要が急増したため、市教委は児童の移動用のバスを確保できなかった。
市教委は、プールのある19校だけで授業をすると、機会の均等が失われて「教育格差が生じる」と判断し、全校での中止を決めた。市教委の担当者は「来年度はプール授業を行えるように、早急に対応策を検討していきたい」と話している。
プール未設置の小学校がある帯広市では、移動用のバスを確保したという。