「バーベキュー焼死」アルコールの投入指示は誰が……食い違う専門学校の説明と生徒の証言

福岡県柳川市の美容専門学校でバーベキューの火が燃え移り生徒4人が死傷した事故が発生して3週間が過ぎ、初めての保護者説明会が17日に開かれましたが、事故当時の状況について学校側と生徒たちとの証言に大きな食い違いが生じています。
◆「虚偽の報告を聞きに来たわけじゃない」
保護者「ここにおる保護者たちは、あなたたちの保身に走った虚偽の報告を聞きに来ているわけじゃないんですよ! 子供から聞いている話と全然違う!」
柳川市の「ハリウッドワールド美容専門学校」で17日に開かれた保護者説明会。学校側の説明に対し、保護者からは憤りの声が相次ぎました。
保護者「今回、あまりにも虚偽の報告が多すぎないか。私たちは真実が知りたい」
5月24日、全校生徒が参加したバーベキューの最中にコンロの火が男子生徒4人に燃え移り、全身にやけどを負った18歳の生徒が死亡しました。学校側によると、バーベキュー会場には12台のコンロが設置されていました。コンロの火を付きやすくするため、理事長の指示であらかじめ炭に消毒用アルコールをかけて火をおこしたということです。事故の直前、火が弱かったコンロの火力を強めるため、男性教員が消毒用のアルコールをコンロに追加。火は、爆発的に燃えあがり、男子生徒4人の衣服などに燃え移りました。
◆「理事長の指示は全く行っていない」学校側の説明
説明会では事故の原因となった消毒用アルコールの追加も理事長の指示だったのかについて質問が集中しました。
保護者「誰が指示したんですか? 『アルコールを投入しろ』と若い職員に誰が指示をしたんですか?」
学校側「アルコールを注入するということは本当に予期をしていなかったことで、理事長がそこでその先生に入れなさいとかいう指示はまったく行っておりません」
保護者「娘から聞いてますよ。(指示を出したところを)聞いています。聞いた子たちは何人もいますよ」「うちの子供は、すぐ近くにいたんですよ。理事長が指示を出しているのを聞いているんですよ!」
学校側「それは本当に映像にも残っていまして」
保護者「映像じゃなくて(子供から)聞いています」
理事長「指示はしておりません。「映像できっちり残っている。僕は離れたところにおりましたので」
◆生徒「理事長の指示があった」
当時、死亡した生徒から約5メートルほどの場所にいた、という生徒も「理事長の指示があった」と話します。
生徒「爆発の原因のアルコールを『入れろ』と指示したのは理事長で、その理事長は指示した若い先生を怒ってたんですよ。『お前が(アルコールを)移動させなかったからだろうが』『アルコールを別の場所に移動させとけって言ったやろ』って胸ぐらをつかんでて」
保護者「はっきりしたことを明言されないんですよ。だから、保護者側としてももう不信感しかないですよね」
◆警察は業務上過失致死の疑いで捜査
生徒や保護者によると、事故後にPTSDの症状を訴えて学校を休んでいる生徒も多くいるということです。
生徒「もう自分は退学したいですね。そんなところにいたくないんで」
保護者説明会では理事長が責任を取って辞任する意向も示しましたが、出席した保護者によると正式には何も決まっていないということです。今回の事故は警察が業務上過失致死の疑いで捜査を進めています。