「実弾を奪おうとした」という趣旨の供述 自衛隊員3人が死傷した銃撃事件で送検された自衛官候補生 「悲しいというか、現実味がない」候補生の兄弟が語ったこととは

岐阜市の陸上自衛隊の射撃場で3人が死傷した銃撃事件。
殺人の疑いで送検された自衛官候補生の男が「実弾を奪おうとした」という趣旨の供述をしていたことが新たに分かりました。
(自衛官候補生の男の兄弟)「至って普通というか。優しいって言ったらいいんですかね。僕が困っている時に助けてくれたり、おやつ分けてくれたりとか」
自衛官候補生の男について、こう話した男の兄弟。
優しかったという男を凶行に駆り立てた理由は一体何だったのでしょうか。
6月14日、岐阜市の陸上自衛隊の射撃場で、18歳の自衛官候補生の男が3人の隊員に小銃を発砲。
1等陸曹の菊松安親さんと3等陸曹の八代航佑さんの2人が死亡し、3等陸曹の原悠介さんが全治3か月の大けがをしました。
(自衛官候補生の男の兄弟)「起きてしまった事件なので悲しいというか、現実味がない」
捜査関係者によりますと、男は実弾射撃訓練が始まった直後、待機場所で弾倉を装填。
これは禁じられている行為で、男の左前方にいた八代さんが制止しようとすると、男は「動くな」と叫び八代さんに発砲。
その後、男は後方にある「弾薬置き場」で実弾を管理していた菊松さんと原さんに向け立て続けに発砲しました。
調べに対し男は、八代さんについて「止めようとしたから撃った」などと供述していましたが、菊松さんと原さんについては、名前は挙げず、「弾薬置き場にいた人」などと説明しているということです。
また、特定の隊員に対する恨みや不満を具体的に説明しておらず、逮捕後の調べでは「実弾を奪おうとした」という趣旨の供述をしていたことが新たに分かりました。
一方で、男は6月15日の送検以降、ほとんど取り調べに応じていないということで、陸上自衛隊などは男が実弾を奪おうとした目的など動機について慎重に調べを進めています。