5月24日、福岡県柳川市のハリウッドワールド美容専門学校で、バーベキュー中に20代の男性教師が火が弱まったコンロの炭火に消毒用アルコールを加え、燃え上がった炎が生徒4人に燃え移り、18歳の男子生徒1人が死亡した事故。
事故から24日後となる、6月17日、保護者説明会が開かれました。
FNNは紛糾した説明会の一部始終を記録した音声を入手。理事長自身が“ずさんな管理の実態”を語りました。
理事長は消毒用アルコールの危険性を認識せず
警察も駆けつける厳戒態勢の中で行われた説明会には、200人を超える保護者が出席しました。
冒頭に亡くなった生徒に黙とうが捧げられた後、古賀英次理事長から「生徒の御霊に、冥福をお祈りいたします。お子さんの心に大きな傷を負わせてしまったこと。深く、深く、謝罪をいたします」という言葉も。
その後、消毒用アルコールを使った火起こしについて、説明会は紛糾します。
古賀理事長: 熱中症や食中毒にならないように、早く焼けるように消毒用アルコールを使用しました。
理事長が着火に用いたという消毒用アルコール。 なぜ理事長が、消毒用アルコールを着火剤として使用することを思い至ったのかについては。
古賀理事長: 最後のところに火をつけるときには、最初の火起こしのところが(炭が)灰になってるんですね。だからなんとか「同時に火を起こす方法はないだろうか?」ということから(事故の)前日にアルコールというものに着目をしましてね。そして安全性というものを前の日に広場で確認して、実験といいますか、着火剤にアルコールをかけてですね、そして「爆発とかそういうものはしないものだ」と確認しまして。(危険性について)いろいろなホームページとかでの確認とか、そういうのは行っていません。
消毒用アルコールの危険性は、十分認識していなかったという理事長。生徒らに対しても、アルコールの使用については伝えていませんでした。
さらに、事故への備えについて。
保護者: 消火器や火消しの水なんかの準備はされたんでしょうか? 古賀理事長: 近くに水道の蛇口があるので、それで対応すると考えていた。
保護者: その水道の蛇口にひねる部分(ハンドル)はちゃんとついていた? 古賀理事長: いや、その日はついていなかったです。
保護者: こんだけ多い人数でバーベキューやるのに、なぜ水を準備してないんですか!? 保護者: うちもそれ聞きました!水を準備してなかったと聞きました!なぜですか!?
会場近くの水道で対応すると説明しましたが、実際にはその水道は、蛇口のハンドルが外されており、使用できない状態でした。
アルコール追加は理事長の指示?否定も保護者からは目撃証言も
事故の直接の原因となった、20代の男性教師による、消毒用アルコールの追加投入。
一部報道では、理事長の指示で行われたとされていますが、理事長は着火後、アルコールを職員室に戻すよう指示していたと主張。
さらに、事故発生当時の状況について…。
古賀理事長: (防犯)カメラ映像でも残っていますけど、私は背中だけで10m離れたところで肉を焼いていました。で…音がしましたので振り向いて、すぐに判断を…、被害を受けた生徒の救助に向かったんですけども。アルコールは(会場に)もうないものと思っていたので、(当該の教師に)「なおし…なおし…なおしとかないかんと言ったやろ!」と、それは言いました。
保護者: 理事長の方が指示をして、追加でアルコールを入れる指示をされたのか? 古賀理事長: 事故があったバーベキューコンロにアルコールを注いだ、それは私の指示ではございません。
10m離れた場所におり、指示などは行っていないと説明。しかし、保護者からは。
保護者: すみません!(指示を)聞いてますよ!娘から!聞いたところを聞いています!証拠がないから分からないけど、聞いた子たちは何人もいますよ!?指示を出したところを! 学校の職員: いや、それは本当に映像にも残っております。
保護者: 映像じゃなくて(子供から)聞いてます。 保護者: すみません!うちも聞いてます!
保護者: (防犯カメラに)声は入っているんですか? 学校側: いや、声は入ってません。
保護者: 分かりませんよね?
理事長が消毒用アルコールを追加するよう指示する声を聞いたとの証言が相次ぎました。
事故を受けて、古賀理事長は、辞任を表明。警察は、現在、業務上過失致死傷の疑いで捜査を行っています。
「SNSには載せいないように」口封じのようなメールも…学校側の対応に怒り
事故後、メールなどで報告は行われたものの、保護者説明会が行われたのは事故発生から24日後でした。
保護者: 学校側の対応が、どういう対応をしてくれるのかっていうのも待ってたんです。配信メールが来て、事故がありましたっていう報告を受けて、「SNSとかには載せないように」という口封じのような…。
学校の職員: (事実が)検証できていないことも多々あったので、外にもまだ発表できないし、本当に待たせていただいたというのは、本当に事実です。
学校側は再発防止策を検討中で、今後危険な行事は行わないとしています。
保護者: (亡くなった生徒の)お通夜にいかせていただきました。お父さんも泣いていました。大切な長男ですよね。亡くなった方は。「学校にこんな事をされるのか」って本当に泣いてました。泣いている子もいましたし。お父さんが最後になんて言ったかと言いますと、「息子のために夢を引き継いでね」って言ってくれたんですよ。もう泣きながらですよ。
学校の職員: 一人、一人の大切な生徒たち、一人一人の入学の目的を達成する。これは、職員一同、しっかりと前を向いてやっていくと言う事をしていきます。そこは…信じていただきたいと思っております。
(めざまし8 6月20日放送より)