彫刻家で文化勲章受章者、日本芸術院会員の澄川喜一(すみかわ・きいち)さんが4月9日に91歳で死去していたことが分かった。21日、遺族が東京芸術大を通じて公表した。
島根県生まれ。同大を卒業後、仮面をモチーフにした「MASK」のシリーズで認められた。神社仏閣の屋根や刀など、日本の伝統美に通じる「そり」に着目した木彫シリーズ「そりのあるかたち」を制作。2003年に日本芸術院賞・恩賜賞を受賞した。
石や金属の公共彫刻も全国で制作。東京湾アクアラインの換気施設「風の塔」をデザインし、東京スカイツリーのデザイン監修も行った。東京芸大学長や故郷の島根県芸術文化センター長・石見美術館長などを歴任。 平櫛田中 (ひらくしでんちゅう)賞、本郷新賞など多くの賞も受けた。