天皇、皇后両陛下「若い世代の可能性を感じました」…インドネシアから帰国

即位後初の親善訪問として17日からインドネシアを訪ねていた天皇、皇后両陛下は23日夜、政府専用機で帰国された。両陛下は感想を文書で公表し、現地での交流を通して「両国の友好親善と協力関係における若い世代の可能性を感じました」とつづられた。
両陛下は訪問中、日本に関心を寄せるインドネシアの学生たちや、同国で暮らす日本の若い人たちと交流された。感想では「若い世代の人々が、両国の相互理解と友好協力の一層の深まりに大きな役割を果たしていってくれることを期待いたします」と記された。
未来志向の交流を重視する一方で、戦争の記憶にも向き合われた。第2次世界大戦後も現地にとどまり、オランダとの独立戦争を戦った残留日本兵の子孫と面会。その苦難の歴史に心を寄せられた。同行した宮内庁の伊原純一・式部官長は「両陛下は、歴史の記憶をしっかり伝えていかなければならないというお気持ちだ」と語る。
2002年以来、21年ぶりの外国親善訪問となった皇后さまが、予定より多くの行事に出席できたことも大きな成果だった。メインの国賓行事を優先するため、それ以外の多くの行事を見送る方向で検討されていたが、実際には予定外の大学や高校の視察にも同行し、回復ぶりを示された。
陛下が関心を寄せる水問題では、解決に向けて取り組む現地の人たちを励まされた。
ジャワ島の砂防技術事務所で陛下を案内したインドネシアのバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相は23日、読売新聞の取材に「陛下のご専門を国際親善につなげたいというお気持ちを強く感じた」と強調した。さらに「陛下の深い知識があれば、水を管理する日本の技術をさらに世界各国に広げることができるだろう」と今後の陛下の国際的な活動に期待を寄せた。
「若い世代」と「水問題」に目を向けた令和流の国際親善は、多くの友好の灯をともして幕を閉じた。(水野祥、ジャカルタ支局 川上大介)

天皇、皇后両陛下の感想の要旨は次の通り。

インドネシア政府から国賓として招待を頂き、同国を訪問できたことを大変うれしく思います。ジョコ大統領ご夫妻には、歓迎行事や午餐(ごさん)会を催していただき、また、大統領自らが運転されるカートで植物園にもご案内いただくなど、大変心のこもったおもてなしを頂きました。
ジョグジャカルタでも、ハメンク・ブウォノ10世夫妻に心温まるおもてなしを頂きました。各地で国民の皆さんに温かく迎えていただき、大変うれしく、有難いことでした。
訪問を通じて、インドネシアの歴史や、多様性に富んだ豊かな文化に対する理解を深めるとともに、日本とインドネシアの人々の間で培われてきた友好親善と協力の実績を目の当たりにすることができました。
幅広い年代の方々に直接お話を伺い、両国の友好親善関係が人々の交流を通じて発展してきたことや、インドネシアの人々が日本の人々に対し、温かい気持ちを寄せていることを肌で感じ、うれしく思いました。
なかでも、我が国に関心を寄せるインドネシアの学生・生徒さんや、インドネシアで暮らす日本の子ども達や若い人々と交流する機会を通して、両国の友好親善と協力関係における若い世代の可能性を感じました。若い世代の人々が、両国の相互理解と友好協力の一層の深まりに大きな役割を果たしていってくれることを期待いたします。
今回は、二人揃(そろ)っての初めての東南アジアへの公式訪問でもあり、とても思い出深いものとなりました。多くの関係者の皆さんの尽力に深く感謝します。訪問を契機として、日本とインドネシアの友好親善と協力関係が一層進展することを心から願っています。