新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日に5類に引き下げられて以降、感染者数が緩やかに増え続けている。専門家は流行「第9波」が始まった可能性を指摘し、特に沖縄では、昨冬の第8波のピークを越える水準となっている。
沖縄県は独自に発表しているコロナの患者総数の推計値が1週間で1万人となった。医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しており、6月26日に医療機関の負担を緩和するため、新型コロナウイルス感染者ケアステーションを稼働。医療施設ではないが、入所者には酸素投与や点滴など医療的ケアを施し、65歳以上の高齢者や基礎疾患がある感染者などを25床で受け入れている。
県内では6月25日時点でコロナ患者の入院が744人にのぼり、確保病床使用率は65・9%。県の担当者は「確保病床以外で入院しているコロナ患者もおり、厳しい状況だ」と話す。
同県での感染拡大について、県の担当者は「子供の感染者が割合が多く、世代間交流も多いため、感染が広がっている」とする。県教育庁によると新型コロナ感染拡大で6月23~29日、県内の小、中、高校と特別支援学校で計14学級が学級閉鎖に。学年閉鎖は小学1学年、中学2学年が確認された。
県の担当者は「発熱などの症状があった場合は高齢者などに会うのを避けるといったこれまで有効だった手段を引き続き呼び掛けていきたい」とした。