札幌市中央区のホテルで頭部が切断された男性の遺体が見つかった事件。男性と一緒にホテルに入った人物は先に1人で退出したが、いまだ見つかっておらず、何者かも判明していない。そして、なぜ男性は頭部を切断されたのか。都会の片隅で起きた猟奇的な事件の謎は深まるばかりだ。
男性は北海道恵庭市の会社員、浦仁志さん(62)。2日未明、部屋の浴室で頭部を切断された状態で見つかった。死因は刺し傷による出血性ショック。頭部は死亡後に切断されたとみられる。居室部分には目立った血痕がなく、浴室で殺害された疑いが強い。
浦さんと一緒に入室した人物は小柄で、入室時はつばの大きな帽子をかぶり、女性のような服装をしていたほか、退出前にはフロントに女性のような声で電話があった。しかし、約3時間後に1人で退出する際は、入室時とは異なる黒っぽい服装だった。
さらにこの人物は退出時、スーツケースを持ち、リュックサックを背負っていた。男性の服が現場に残されておらず、切断された頭部や凶器も見つかっていないため、スーツケースに詰めて持ち去った疑いがあるという。
一人で退出する姿がホテルの防犯カメラに写っていたが、画像が鮮明でないため、男か女かも現時点では判明してない状況だ。
浦さんの遺体には抵抗した際にできる防御創がなかったことも判明。一緒に入室した人物はわずか3時間で犯行を実行し、自身も着替えた上で立ち去るという手際のよさが際立っている。
頭部の切断という犯行について、東京未来大学の出口保行教授(犯罪心理学)は「人として一番象徴的な部位である顔、および頭を隠すことで被害者の身元の特定を遅らせるためと、愛憎に関係する犯行で相手の頭部を欲したためという可能性だ」と2つの可能性を挙げる。
過去に拘置所などで遺体を損壊した事件の犯人から話を聞いた経験を踏まえて、「皆が口をそろえたのは人体の損壊には非常に力が要るということだった。現時点では情報が少なく、今回の犯人が女か男かもまだ特定はできないが、致命傷となった刺し傷が別にあったということから、頭部を切断したものとは別の凶器も準備していたことは考えられる。犯行後に別の服装に着替えてホテルを出たことも含めて、計画的だったといえる」と指摘する。
その上で「殺人事件では加害者と被害者の面識率は90%を超えるといわれている。現在逃亡中の犯人が、通り魔的に無関係な相手に連続して犯行を重ねることは考えにくいだろう」と話している。