福岡県や大分県で特別警報が発表されるほどの大雨になったのは、梅雨前線が九州北側に長時間とどまり、南から湿った空気が大量に流入し続けたためだ。九州や本州で梅雨明けが近づくこの時期は例年、前線が活発化して豪雨が発生し、近年は頻度も上昇傾向にある。専門家は今後も全国に豪雨のリスクがあるとして注意喚起している。
梅雨明けが近づくと大雨が増えるのは、日本の南側にある「太平洋高気圧」が勢力を強めるからだ。高気圧の縁を回るように暖かく湿った空気が、大量に梅雨前線に流れ込むことで、大雨となる。今回、上空の風向きの影響で前線が7日午後から九州北側に停滞し、そこに太平洋から大量の水蒸気が流入し続けた。
近年は水蒸気の供給源になる日本近海などで、海面水温が記録的な高温となっており、集中豪雨の頻度も上昇している。気象庁気象研究所(茨城県つくば市)によると、7月に「3時間降水量130ミリ以上」の集中豪雨が発生する頻度は、1976~2020年の45年間で約3・8倍に高まった。
同研究所の加藤輝之台風・災害気象研究部長は「豪雨は全国のどこでも起きうる。万が一の際に、適切な避難行動が取れるよう備えてほしい」と呼びかけている。(科学部 林尭志)