「子どもに喜んでほしいのに…」=一部おまけ付き、税率10%-駄菓子メーカー苦悩

消費税増税を前に、駄菓子メーカーに逆風が吹いている。
食料品として税率8%に据え置かれる菓子が多い中、一部のおまけ付き駄菓子は10%に引き上げられるためだ。「子どもに喜んでほしいだけなのに」。メーカーからは苦悩の声も上がる。
消費税10%への税率引き上げと同時に導入される軽減税率制度では、酒類を除く飲食料品は8%に据え置かれる。ただ、おまけなど食品以外の部分が価額の3分の1を超す菓子は、同制度の対象外だ。
東京都最古とされる創業1781年の駄菓子店「上川口屋」(東京)の店主内山雅代さん(79)は軽減税率について、「複雑でちんぷんかんぷん」だと困惑する。一つ当たりの利益が2円未満の商品もある中、消費税増税は持ち帰り用の袋の仕入れコストにも影響するといい、「一枚でもばかにできない」と語る。
「(増税分が)数円だとしても、子どもたちに多く払ってもらうのは残念」。駄菓子メーカー「チーリン製菓」(大阪府八尾市)の福井憲治副社長はこう話す。同社は笛付きのパイプ型容器入りチョコレートなどを製造。容器にはコストが高い日本製素材を使うなど「安全、安心」にも配慮しているという。
子どもたちに喜んでもらうため、味に加え、容器の形や素材にもこだわる同社はおまけ付き菓子など約30品目を展開する。価格帯は10円~30円が中心だが、うち7品目は軽減税率の対象外。福井副社長は「低所得者の負担軽減という政府の目的とかけ離れているのではないか」と疑問を呈す。
軽減税率の複雑さも苦境に追い打ちを掛ける。都内の菓子メーカーの担当者は「小売店は、お菓子コーナーに税率が8%と10%の商品が混在することを嫌う」と指摘する。消費者に分かりやすい商品陳列にするため、軽減税率対象外のおまけ付き菓子の取り扱いを止めた小売りチェーンもあるという。
全国菓子卸商業組合連合会の担当者は「子どもを喜ばせようと工夫を凝らした商品が店頭から消えるのは残念」と話す。同連合会は、各メーカーが低価格と容器にこだわり、開発を続けてきた玩具菓子文化に影響を与えかねないと懸念を強めている。