ブラジルで逮捕された男は「逃亡するつもりはなかった」と供述しているということです。 ブラジル連邦警察の捜査員らに取り囲まれる男は、7月14日にブラジルのサンパウロ市内で逮捕されたブラジル国籍のバルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(34)です。去年8月、大阪府堺市の集合住宅で、妻の荒牧愛美さん(当時29)と長女のリリィちゃん(当時3)を刃物のようなもので刺して殺害した疑いで国際手配されていました。 犯行の直後に成田空港からブラジルへ逃走したとみられるバルボサ容疑者。勤務先の関係者には事件の発覚を遅らせるためウソの連絡を入れていました。 (バルボサ容疑者) 「事故に遭い骨折してしまった。2週間以上、休む」 一方で潜伏先のブラジルからはSNSを通じて知人にこんなメッセージも。 (バルボサ容疑者とみられる人物) 「私は妻を殺しただけ。妻が娘を殺したんだ。すごく悲しいことだった。だから妻を殺した」 長女のリリィちゃんについては「殺害していない」などと否定したのです。大阪府警は去年9月、ICPO(国際刑事警察機構)を通じてバルボサ容疑者を国際手配。日本とブラジルの間では犯罪人引渡条約が結ばれていないため、捜査員を現地に派遣してブラジルの法律で処罰する代理処罰も視野に捜査協力を求めてきました。 そして事件から11か月、ブラジル連邦警察が逮捕に踏み切りました。逮捕された当時、バルボサ容疑者は日本で知り合った女性とアパートで暮らしていたということです。地元メディアによりますと、バルボサ容疑者は「逃亡するつもりはなかった。命じられれば警察に出頭するつもりだった」と供述しているということです。 逮捕を受けて荒牧さんの友人は次のように話します。 (荒牧さんの友人) 「卑怯やなって。それしかなかったですね。(バルボサ容疑者は)自分の罪を軽くしようとまだウソをついている。ウソをつかずにちゃんと本当のことを言って、これ以上、彼女たちが悪いふうに言うのをやめてって思う」 今後、バルボサ容疑者の刑事手続きはブラジル国内で行われる見通しです。