国や大阪府・市の補助金をだまし取ったなどとして詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」前理事長、籠池(かごいけ)泰典被告(66)と妻の諄子(じゅんこ)被告(62)の第13回公判が28日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。この日は被告人質問が行われ、午前中の審理では、籠池被告に対し、経歴や起訴内容の一つである府・市の補助金詐取事件について弁護側が質問した。主なやりとりは以下の通り。
-諄子被告と知り合った経緯は
「大学生のときにアルバイトをしていた百貨店で声を掛けた。結婚をしたのは25歳のとき」
-結婚したときは奈良県庁で働いていた。森友学園に転職した理由は
「学園が大きく展開する時期だった。人手不足だった」
-小学校の設立を構想したのは
「先代の思いもあり、以前から実現せなあかんと思っていた。平成23年ごろ、設立場所の選定などを始めた」
-幼稚園の運営方針に、教育勅語を取り入れたきっかけは
「家庭の秩序が乱れたり、尊敬の念がなくなったり、国旗に無礼な人が出てきたりしていた。そうした中で、マッチするものとして教育勅語を見つけた」
-実際は働いていない職員に給与を支払っているとして、補助金を申請した不正受給に争いはないか
「不正受給は争わない」
-なぜそのような申請をしたのか
「教育のレベルは下げてはならんが、それには費用がかかる。先生1人減ると補助金も減ってしまうことは、いかがなものかと。やっちゃいけないことと認識していた」
-起訴事実に他の人が関与しているということは
「ないです」
-不正受給した補助金の使途は
「(授業で使用する)楽器の購入や、専門家を呼んだ先生の研修、給料の増額に使った」
-私的流用は
「全くない」
-医者の診断書を変造したと指摘されている
「手を加えたのは事実で、安直だった。だが、(補助金の)申請時期に診断書が間に合わない人がいて、そのときに手を加えた」
-なぜそのような行為をしたのか
「いただけるであろう補助金の額を頭に置いていた」
-減額を避けたかったのか
「はい。やっちゃいけないことなので、今ならしない」