21日午後0時55分ごろ、福岡県宮若市福丸の犬鳴(いぬなき)川で「友達が(川から)上がってこない」と、一緒にいた友人から110番があった。警察と消防が付近を捜索したところ、午後1時半ごろに川の中から小学6年の女子児童3人が見つかった。いずれも心肺停止状態で、病院に搬送されたが、3人とも死亡が確認された。県警が事故の経緯などを調べている。
専門家「膝まで水につかったら危険」
川遊びは身近な自然の中で水と触れ合うことができる半面、事故の危険とも隣り合わせだ。本格的な夏のレジャーシーズン前に、専門家は注意や備えを呼びかける。
河川について調査・研究などをしている公益財団法人「河川財団」(本部・東京都)によると、水難事故の約半数が7、8月に集中。2003~22年に中学生以下の子どもが水難で死亡したケースや行方不明になったケースのうち、河川での事故は48・2%で、海(22・6%)の2倍以上だった。特に堰(せき)や橋脚など河川構造物付近は急な深みや複雑な流れがあり、事故が起きやすい。今回の事故現場付近にも堰があった。同財団の「子どもの水辺サポートセンター」の菅原一成研究員は「堰の手前は水深があり、リスクが高い。近寄らないことが大切だ」と訴える。
一般社団法人「水難学会」の会長で、明治国際医療大学教授の木村隆彦さんは、大雨による増水で川底が削られて深くなっていた可能性もあるとした上で「(今回の事故は)浅い所から深い場所まで行き、急に深みに落ちて流された可能性がある」と話す。「膝まで水につかったら、それ以上先に行くのは危険。川遊びをする時はライフジャケットを着用するなど安全対策を徹底してほしい」と呼びかける。【田崎春菜、城島勇人】