岸田文雄内閣の支持率が「危険水域」に突入した。読売新聞と毎日新聞の世論調査結果が24日朝刊で報じられたが、毎日調査で、政権維持が困難となる30%以下になったのだ。LGBT法の拙速な法制化や、マイナンバーをめぐる問題続出などに加え、岸田政権の「増税・負担増」路線が鮮明になったことも影響しているとみられる。
注目の内閣支持率は別表の通り。読売調査では、支持率35%は内閣発足以降最低を更新し、不支持率は昨年12月と並び最高となった。毎日調査では、2月調査の26%以来、再び30%を割り込んだ。
両紙の調査では、物価高対策や、マイナンバーをめぐるトラブルへの不満が目立つ。ただ、夕刊フジの公式サイトへの反応を見る限り、女性や女児の安全への懸念が指摘されるLGBT法や、岸田政権の「増税・負担増」路線への反発が背景にありそうだ。
青木幹雄元官房長官はかつて、内閣支持率と政党支持率の合計が「50%」を切ると政権は危ないという「青木の法則(青木率)」を唱えていた。毎日調査では、青木率は「52%」となり、時事通信(7~10日実施)の「54・4%」よりも落ち込んだ。
岸田首相は、起死回生のため、9月にも内閣改造・党役員人事を実施するとされるが、今回の調査結果をどうみるか。
政治評論家の伊藤達美氏は「深刻な数字だ。従来の物価高対策への不満に加え、『増税・負担増』路線の報道で不支持に拍車がかかった。マイナンバー問題でも、国民は河野太郎デジタル相の誠意ある対応が感じられないのだろう。加えて、官邸から国民に向けて丁寧な説明もない。国民の目には『岸田首相にリーダーシップがない』と映っているのだろう。政権浮揚策として、内閣改造・党役員人事で女性や能力の高い人物を積極的に登用することも考えられる。支持率は下落を続ける一方なので、早めに解散を打たざるを得なくなるのではないか」と語った。