和歌山カレー事件25日で25年 今も後遺症「許せない」

1998年に和歌山市の夏祭り会場で4人が死亡し、63人が急性ヒ素中毒になった毒物カレー事件から25日で25年となる。今も後遺症がある被害者の家族は「決して許せない」と憤り、在校生が犠牲になった小学校ではまだ給食でカレーを出すことができない。事件は四半世紀がたっても地域に影を落としている。
「娘が死んでしまうのではと、すごく不安だった」。現場近くに住む男性(81)は、病室で酸素吸入の措置が取られた娘を見た時の心境を振り返った。事件当日、カレーを食べた娘=当時30代=は緊急搬送され、一時入院した。今も手の先に後遺症があり、手にした皿をよく落としてしまうという。
犠牲になった林大貴君=当時(10)=が通っていた市立有功小には慰霊碑が立つ。事件以来、給食でカレーを出していない。
事件では09年、殺人などの罪に問われ、一貫して関与を否定していた林真須美死刑囚(62)の刑が確定。再審請求をしていたが、和歌山地裁は今年1月31日付で棄却する決定を出した。大阪高裁に即時抗告している。