会津大(福島県会津若松市)は27日、研究活動上の不正行為があったなどとして、宮崎敏明・理事長兼学長(66)が31日付で辞任すると発表した。
大学によると、学内の調査委員会が今年4月、宮崎氏が発表した論文8本について、新規性が認められない「二重投稿」や適切な引用をしない「自己盗用」の不正行為があったと認定した。5~6月には、大学院の組織変更などに関する国の補助事業を巡り、宮崎氏が必要な学内の手続きをすることなく申請をしていたことも判明した。
こうしたことから、大学の理事長選考会議が7月11日に辞職を勧告した。宮崎氏は辞表を提出し「大学運営に責任を負う立場でありながら、こうした事態を招き深くおわび申し上げる」と話したという。
宮崎氏は日本電信電話公社(現NTT)を経て2005年に会津大教授に就任し、20年4月から理事長・学長を務めてきた。22年2月には匿名の告発を受けた大学側の調査で、今回とは別の論文4本に自己盗用が見つかり、報酬1カ月分の20%を自主返納していた。【松本ゆう雅】