「誰が見ても事件」元捜査員が異例の会見 捜査1課長は反論

平成18年に東京都文京区の自宅で遺体で発見された男性=当時(28)=の死亡に関し、捜査に携わった元警視庁捜査1課の佐藤誠氏が28日、都内で会見を開き、事件性はないとする捜査結果について「誰がみても自殺ではなく事件だ」と述べた。元捜査員が捜査内容を明かし、批判を展開するのは極めて異例。
捜査関係者によると、男性は18年4月、自宅で首から血を流して死亡しているのが見つかった。体内から致死量の覚醒剤が検出され刃物による自傷、自殺と判断された。30年に大塚署が洗い直しを行い、捜査1課が再捜査を開始。男性の妻だった女性らに参考人として、任意の事情聴取を行うなどした。その結果、再び自殺と判断された。
会見で佐藤氏は、取調官として女性の調べを担当したと説明。証拠品や他の参考人らの供述内容から「自殺と認定できる証拠はない」と話した。ただ、事件と判断できる物証も集まっていなかったとした。
週刊文春は、女性がその後に再婚した相手が木原誠二官房副長官で、政治的立場が捜査に影響を与えたのではないか―などと報じた。佐藤氏は会見で、国会日程の関係で女性への任意聴取が途中で打ち切られるような形になったとし、「結論を遺族に伝えず、異常な捜査の終わり方だった」と主張した。
これに対し、警視庁の国府田剛捜査1課長は28日、報道各社に状況を説明し、「証拠上、事件性は認められず死因は自殺と考えて矛盾はないと確認した」などとコメント。会見については「特定の関係者のプライバシーの内容や当時の捜査が明かされ、誠に遺憾」とした。
木原氏側は既に「週刊文春の私と私の家族に関連した記事は事実無根」とするコメントを出しており、21日に続き、28日も日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。