「ほかの先輩も、大麻のことを知っている」……1人の責任? 日大アメフト部“無期限活動停止”を解除 一方で関東学生アメフト連盟は出場資格停止を決定

8日、日本大学の林真理子理事長は、日大アメフト部を巡る”違法薬物事件”について会見で謝罪しました。
その日大アメフト部について、関東学生アメフト連盟は、10日午後7時から臨時の理事会を開催しました。日大アメフト部の、来月から始まる今シーズンの公式戦への参加について協議を続けたということですが、午後11時過ぎの時点では正式な発表はありませんでした。
覚醒剤の成分が入った錠剤と、乾燥大麻を所持したとして逮捕された、北畠成文容疑者(21)。捜査関係者によると、新たに、警視庁の任意の事情聴取に次のように話していたことが明らかになりました。
北畠成文容疑者
「ほかの先輩も、大麻のことを知っている」
8日の会見で日大は、逮捕された部員以外について「把握していない」としていました。
記者
「今回の(逮捕された)学生以外にも薬物を使用しているという話であれば、また、部としても関わってくると思うのですが、そういった事実はないという認識でよろしいでしょうか」
澤田副学長
「現時点でそのような事実は把握しておりません」
しかし、日本テレビが音声を入手した、会見直後に行われた保護者会では、他にも関与した部員がいるともとれる発言があったのです――。
大学側
「警察はさまざまな情報を集めておりますので、その中で完全に今、彼(北畠容疑者)1人というふうに考えているのではないと思われる」
これに対し、アメフト部員の保護者からは、困惑の声が聞かれました。
アメフト部員の保護者
「何もないという前提で我々も参加している状況ですけども、それを言われてしまうと、“うちの子が関わってしまっているんじゃないか”と、今そう思ってしまっているんですけど……」
捜査関係者によると、北畠容疑者は逮捕前にこう話していたといいます。
「大麻を買ったときに“おまけ”で錠剤をもらった」
「錠剤は使っていない」
こうしたことに、専門家は次のように話します。
法科学研究センター 雨宮正欣所長
「大麻をゲートウェイドラッグとして、他の薬物に手を染める可能性がある。売人が“おまけ”でそういうものをつけたということですから、今回はそういう(ゲートウェイドラッグの) 事例に当てはまる、典型的な例。『もっときく薬があるよ』とか『もっとすっきりする薬あるよ』と渡していて、それを本人がそのまま取っておいた、ということもあり得る」
大麻を巡る問題では10日、警視庁は大麻取締法違反の疑いで、東京農業大学ボクシング部の岩渕大輔容疑者(21)を逮捕したと発表しました。東農大ボクシング部では、大麻所持の疑いで逮捕された部員はこれで3人目になります。
法科学研究センター 雨宮正欣所長
「薬物の乱用を防止することは1つしか方法はありません。簡単に言えば、“薬物に初めから手を出さない”。これは唯一の方法と言ってもいいくらいですから。とにかく安易な気持ちで手はださないようにして欲しいですね」
中島芽生キャスター
「日本大学は先ほど公式ホームページを更新し、その中で、『無期限活動停止処分としていたアメフト部の活動について、“解除する”』と発表しました。
発表の中では、『逮捕された部員、1名のみを無期限活動停止処分とすることといたしました。この問題は個人犯罪であり、個人の問題を部全体に連帯責任として負わせることは、競技に真剣に取り組んできた多くの学生の努力を無に帰することになり、学生の成長を第一に願う教育機関として、最善の措置ではないと判断したためです』としています。
一方で、たった今、関東学生アメフト連盟は(10日)、日大アメフト部について、当面の間、出場資格を停止とすることを決めたと発表しました。これにより、日大アメフト部は来月(2日)の(法政大学との)公式戦には出場できないことになるものとみられます」

中島キャスター
「廣瀬さん、このよう情報が入ってきましたが、どのように思われますか」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「そうですね。日大のアメフト部が試合出場停止ということで、ほかの部員のことを考えると本当に無念だし残念ですね。日大も、農大も、このことを部員が知っていたとするならば、なぜ止められなかったのか、知らなかったとしても自分ごととしてとらえて、もう一度チームのことを見つめ直して、チームとしてどうありたい、どうなりたいかということを深く考える機会にして、再スタートを切ってほしいなと思いますね」
(*8月10日放送「news zero」より)