14日午前、北海道苫小牧市の遊泳禁止の海岸で流され、死亡した63歳の男性は、当時、ホッキ貝を獲りに来ていたことがわかりました。
14日午前8時ごろ、苫小牧市勇払の勇払マリーナ近くで「友人が浮き輪をつけて泳いでいたが、浮き輪がずれて、流されて見失った」と通報がありました。
苫小牧海上保安署などによりますと、男性は、岸壁から約80メートル沖まで流され、行方不明になった後、およそ3時間半後、1.3キロほど離れた海中で発見されたものの、死亡が確認されました。
現場は、もともと遊泳禁止の上、当時、約1.5メートルの波もありました。
その後の警察などの調べで、死亡した男性は、札幌市厚別区の63歳の会社員で、ホッキ貝を獲りに来て、浮き輪にウェットスーツ着用で海に入っていたことがわかりました。
苫小牧海上保安署によりますと、現場の海岸は、漁業権が設定されておらず、個人が手や足でホッキ貝を獲ることは、一般的に密漁にはあたりません。
しかし、苫小牧港管理組合港湾施設管理使用条例で、潜水したり、道具を使ったりしてホッキ貝などを獲ることは禁止され、違反には罰則があります。
今回の男性らは、今のところ密漁で摘発の対象にはならないとみられていますが、もともと現場の海岸が遊泳禁止なのは、離岸流や急な深みなどで流されたり、溺れたりするリスクが非常に高いためです。
おととし8月にも同じ現場で男性が溺れ、救助される事故が起きていて、苫小牧海上保安署は、ここだけでなく、遊泳禁止の海岸で安易に海に入るのは、絶対に止めて欲しいと呼びかけています。