北海道すすきののホテルで男性が頭部を切断され、親子3人が逮捕された事件。逮捕された当初の母親の供述が新たに分かりました。また、事件後、娘に会ったという友人が証言しました。
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田村瑠奈容疑者(29)は16日、送検されました。瑠奈容疑者ら親子3人は先月、共謀して、ナイフのような刃物で男性を突き刺し、殺害した疑いが持たれています。
捜査関係者によると、母親の浩子容疑者(60)が警察の調べに対し当初、「娘の犯行を止めたかったが、止められなかった」と話していたことが新たに分かりました。
親子ぐるみとみられる犯行。警察は、浩子容疑者も計画を認識していたとみて調べています。さらに、私たちの取材で事件後の瑠奈容疑者の様子も徐々に明らかになってきました。
瑠奈容疑者と事件後の7月中旬に会ったという友人に話を聞くことができました。
瑠奈容疑者の友人
「仲間うちにはいつも笑っていて明るい感じ。普通の子、楽しく遊べるし」
――事件後の瑠奈容疑者の様子は
瑠奈容疑者の友人
「普段と変わらず、普通。久しぶりに会って共通の話題で盛り上がって、何も変わっていない。だから怖い」
「お酒を飲んでテンション上がっちゃったのかな。意気投合して優しい言葉をかけられたとか」
その瑠奈容疑者は、約2か月半前の5月下旬、札幌・すすきののダンスクラブにいました。
そこでカメラに捉えられていたのは、音楽に合わせて楽しく踊る瑠奈容疑者です。そして、近くにいた人に飛びつくように抱きつきました。この相手が、すすきののホテルで遺体で見つかった被害男性(62)です。
この時、同じ場所には、父親の修容疑者(59)の姿もありました。親密そうに触れ合う娘と被害男性の様子を、2人とは少し離れたところからじっと見つめていたのです。これが親子と被害男性の最初の出会いとみられています。
その約1か月後の先月2日、男性は変わり果てた姿で見つかりました。捜査関係者によると、男性は両手を体の後ろ側で拘束され、背後から突然、ナイフのような刃物で襲われたとみられています。
事件の時、瑠奈容疑者はレインコートを着ていました。服に返り血がつかないよう、準備したものだとみられています。
――瑠奈容疑者が計画したと思うか
瑠奈容疑者の友人
「全ては瑠奈だと思います。首を切るとかを瑠奈が決めたのか分からないけど、殺す気ではいたのかなと。こうするって決めたら、こうするし。だから何かがあって、親に相談したのかな。瑠奈が言うことが絶対、過保護というか」
否認や黙秘をしている親子3人。警察は、役割や犯行の動機などを慎重に捜査しています。