貸与のはずが…佐賀県議バッジ220個超が所在不明 記録作成せず

佐賀県議会議員に貸与されている議員バッジが220個以上所在不明となっていることが23日、県議会事務局への取材で分かった。議員引退後の返還要請を徹底しておらず、返還記録も作成していなかった。議員バッジには一部金が使用されており、金の価格の高騰で制作費もアップ。事務局は、元議員に返還を呼び掛けると共に素材や規定の変更を検討する考えだ。
県議会議員徽章佩用(きしょうはいよう)規程では、議員バッジは貸与し、辞職や失職した場合に返還するよう規定されている。県議選ごとに当選議員に貸与してきた。
各地で紛失が相次いでいることから県議会事務局が保管状況を確認。1987年からこれまでに補欠選挙を除き県議選は10回実施され、議員バッジは約400個制作していた。
現職議員が保持している約150個を除く約250個が事務局に返還されていなければならないが、事務局が保管しているのは25個にとどまり、220個以上が所在不明という。
原因について県議会事務局は「消耗品という認識で議員への返還要請を徹底していなかった」と説明。返還時の記録も作成していなかったという。
バッジの素材の一部は金で、金の価格の高騰によって今年の議員バッジの制作費は1個2万570円。4年前よりも4586円値上がりしたという。
県議会事務局は「メッキ素材に変更した上で交付することなどを検討していく」としている。【五十嵐隆浩】