青森県 六戸 (ろくのへ)町で4月、民家が全焼し5人の遺体が見つかった火災で、青森県警は26日、現場近くに住み、焼け跡から遺体で見つかった無職砂渡好彦容疑者(当時92歳)を殺人、現住建造物等放火などの容疑で、容疑者死亡のまま青森地検に書類送検した。
砂渡容疑者の遺体は火元の玄関で見つかった。遺体近くで容疑者のものとみられるライターの部品、容疑者が現場前に止めていた車の鍵とみられる金属物があったことなどから、県警は砂渡容疑者が放火したと判断した。
発表によると、砂渡容疑者は4月13日午前1時頃、同町 犬落瀬 (いぬおとせ)の民家に油をまいて放火して全焼させ、この家に住んでいた十文字弘子さん(当時67歳)、弘子さんの母和子さん(同88歳)、次女の抄知さん(同39歳)、抄知さんの長女弥羽さん(同9歳)の4人を殺害するなどした疑い。砂渡容疑者は和子さんの兄。
県警幹部によると、砂渡容疑者は数年前、「(十文字さんの家族に)物を盗まれた」と事実ではない発言を周囲にしていたという。県警は砂渡容疑者が一方的に恨みを募らせていたとみている。