渋谷暴動「中核派」大坂正明被告の裁判が結審 判決は12月22日 最終意見陳述で被告「無罪判決を求める」東京地裁

1971年に起きた「渋谷暴動事件」の裁判で警察官を殺害した罪などに問われている中核派の大坂正明被告の裁判の最終弁論で、大坂被告側は改めて無罪を主張しました。去年10月から始まった裁判は結審し、12月22日に判決が言い渡される予定です。
大坂正明被告(74)は沖縄返還協定に反対する中核派メンバーの学生らが起こした1971年の「渋谷暴動事件」で、メンバーらと共謀し新潟県警の中村恒雄巡査(当時21、殉職後警部補に昇任)を鉄パイプで殴り、火炎瓶を投げつけ殺害した罪などに問われています。
大坂被告は46年間の逃亡の末、2017年に逮捕・起訴され、去年10月から裁判が開かれています。
先週の論告・求刑公判で検察側は「暴力革命の実現を目指した犯行動機は反社会的で悪質だ」と指摘し、「他に類を見ない残虐非道なリンチ殺人だ」として無期懲役を求刑していました。
きょうは弁護側の最終陳述が行われ、「起訴された5つの罪すべてにおいて被告人は完全に無罪であります」と主張しました。その後、大坂被告は15分ほどかけて最終陳述を行いました。
大坂被告は当時、デモには参加していたということですが、中村巡査の殺害に関して「途中でパトカーを追いかけたため、隊列からおくれをとった」「中村巡査が倒れた現場に遅れて到着したので、殴ってもいないし火炎瓶を投げてもいません」と述べました。そして、「現場で大坂被告を見た」と証言したデモ参加者たちの供述調書について、「信用性がない」と主張し、「指名手配され逮捕・起訴されたことは理不尽だ」「無罪判決を求めます」と締めくくりました。
きょうで裁判は結審し、判決は12月22日に言い渡される予定です。