吉村知事によるトップセールスも… 万博の機運醸成で関西以外に温度差

政府が2日に閣議決定した総合経済対策に、2025年大阪・関西万博の機運醸成が盛り込まれた。地元自治体として、大阪府の吉村洋文知事は出張先でPRするトップセールスを進めるが、関西以外の地域との間では依然温度差がある。ここでも国と自治体の連携が問われそうだ。
「大阪でやることは何となく知っている。でもどんな効果があるのか、というのが多数意見ではないか」。吉村氏は大阪以外で万博をPRした際の反応をこう表現した。
最近では9月24日に福岡市博多区で開かれた万博関連イベントに参加したほか、10月25日には長野県軽井沢町で開かれた関東知事会に出席し、各自治体に情報発信への協力を呼び掛けた。
各地の首長やメディアからは地元への経済効果を聞かれることが多いといい、「大阪では経済が動きそうな空気を感じるが、他の地域では温度差がある」と明かす。
実際、三菱総合研究所が4月に実施した意識調査で、万博への関心度は京阪神圏で47・9%だったが、全国では31・5%にとどまっている。
万博を巡っては国と府市、経済界の3者が、税金などで賄われる会場建設費について、当初見込みの1・9倍となる最大2350億円への上振れを容認した。国民の負担増は機運醸成の足かせとなりかねない。吉村氏は「地方に経済効果が広がらなければ、なぜ負担だけ増すのかという話になる」と懸念。機運醸成に関し「本来は国がもっとやらなければいけない」と注文を付けた。
大阪市の横山英幸市長は2日の記者会見で「自治体も単に万博を盛り上げて、といわれても難しい。(イベント開催などで)『参加できている』との思いがあれば、機運醸成につながる。国と都道府県、市町村で連携していきたい」と述べた。
全国知事会は昨年7月、知事会長を本部長とする「大阪・関西万博推進本部」を設立。機運醸成に向けた各自治体の取り組みを共有するほか、交付金などの財政措置を政府に要望している。
担当者は「万博で関西に集まるインバウンド(訪日外国人客)の需要を全国各地に広げれば、地方創生にもつながる。日本全体で取り組むべきイベントだ」と話した。(山本考志、吉田智香)