内閣支持率の下落に与党が危機感、各社世論調査…「青木の法則」が現実味

与党が内閣支持率の下落傾向に危機感を強めている。岸田首相が経済対策として打ち出した所得税などの減税が不評で、政権浮揚につながるどころか裏目に出ているためだ。政府・与党は説明を尽くして理解を得たい考えだが、政権運営には不透明感が増しつつある。
「経済対策ですぐに内閣支持率が上昇するものではないが、やるべきことは、はっきりしている」
自民党の茂木幹事長は6日の記者会見でこう述べ、減税や給付を盛り込んだ経済対策を丁寧に説明する姿勢を強調した。公明党の山口代表も同日、首相官邸で記者団に「経済対策は国民に意義や仕組みが十分に届いていない」と指摘した。
自民は街頭演説などで経済対策を分かりやすく説明するための資料の作成を検討しているという。
自民内では、青木幹雄・元官房長官が唱えたとされる「青木の法則」が現実味を帯びてささやかれ始めた。内閣支持率と与党第1党の支持率の合計が50%を切れば、政権は瓦解する――というものだ。
読売新聞の世論調査によると、最近では、政権末期の森内閣(内閣支持率8・6%、自民支持率22・5%)、麻生内閣(同22・2%、23・4%)、鳩山内閣(内閣支持率19%、民主党支持率20%)などがあてはまる。
報道各社の世論調査で内閣支持率の下落傾向は際立っている。所得税減税が取り沙汰され始めた後の10月13~15日に読売新聞が実施した調査では、2021年10月の内閣発足以降最低となる34%となったほか、共同通信の調査(11月3~5日)で28・3%となるなど、危険水域とされる2割台の調査も相次ぐ。
世論の厳しい目は自民党支持率にも表れ始めた。
自民党支持率は、読売新聞の調査では、第2次安倍内閣以降、おおむね40%前後で推移していたが、岸田政権発足時の43%から5月に38%、10月に30%と下落傾向にある。
今年の通常国会では、性的少数者(LGBT)理解増進法の成立を主導したことで保守層が離れたとされる。9月に洋上風力発電事業を巡る汚職事件で秋本真利衆院議員(自民を離党)が逮捕され、10月下旬に山田太郎・前文部科学政務官と柿沢未途・前法務副大臣が辞任するなど、相次ぐ不祥事が追い打ちをかけたとみられる。
閣僚経験者は「09年の政権交代前に雰囲気が似ている。立て直しができなければ次期衆院選に大きく影響する」と指摘した。