後発品ある薬の自己負担引き上げへ 薬剤費抑制狙い 厚労省

厚生労働省は、特許が切れたジェネリック医薬品(後発品)がある薬の窓口負担を引き上げる方針を固めた。現在は年齢や所得に応じて1~3割となっている患者負担分に後発品との差額の一部を上乗せする案を検討している。安価で有効成分の変わらない後発品の使用を促すことで、薬剤費を抑制する狙いがある。
後発品が出ている薬は先発品と呼ばれ、価格は後発品の2倍程度とされる。政府は有効成分が変わらず、安全性も担保されているとして、先発品から後発品への切り替えを進めているが、昨年9月現在で79%にとどまっている。10兆円に上る薬剤費の抑制は政府にとって急務だが、一部の患者は先発品を希望しがちだ。
厚労省の見直し案では、3割負担の人が仮に100円の後発品を選べば、これまで通り患者負担は30円、残りの70円は公的医療保険でカバーする。一方で、200円の先発品を希望した場合は公的医療保険で給付する額を減らし、自己負担を60円から引き上げる形にする。具体的な上乗せ額については今後調整する。
こうした見直しを進めることで、薬剤費を抑制したい考え。捻出した財源で、製薬企業の創薬力を強化するための研究開発支援費に回す方針だ。【村田拓也】