同じクマに襲われたとみられる3人死傷で、現地調査に出発…付近に残された死がいの傷を確認、体毛や大腿骨など回収へ 北海道の大千軒岳

同じクマに襲われたとみられる大学生が死亡、消防士2人がけがをした北海道南部の大千軒岳(標高1072メートル)で、北海道の職員などが付近で発見されたクマの死がいなどを調べるため、9日朝、現地に向かいました。
大千軒岳の6合目付近では、2日午後、函館市の北海道大学水産学部海洋生物科学科の4年生、屋名池奏人(やないけ・かなと)さん22歳が遺体で見つかりました。
屋名池さんは10月29日に登山に入ったとみられ、死因は全身に激しい損傷を受けたことによる出血性ショック、近くで死んでいた体長1.5メートルほどのクマに襲われたとみられています。
この現場付近では、10月31日、登山中の消防士3人もクマに襲われ、2人がけがをしました。
その際、1人がクマの顔にナイフを刺すなどすると、クマは逃げていて、屋名池さんの遺体近くで見つかった死がいの顔にも刺し傷があったことがわかっています。
クマの死がいは現地に残されたままで、北海道と警察、それに道総研=北海道立総合研究機構らの職員が9日朝、ハンターを伴って現地に向かいました。
顔の刺し傷などの状況を調べた後、体毛や歯、それに大腿骨を持ち帰るなどし、このクマが屋名池さんと消防士を襲ったのかなどを確認することにしています。
さらに、遺伝子や年齢、栄養状態、胃の中の内容物などについても調べる方針です。