40年ぶり町職員経験なしの候補者が当選 神奈川・真鶴町長選

前町長の解職請求(リコール)成立に伴う真鶴町長選が12日、投開票され、無所属新人で、元横須賀市議の小林伸行氏(48)が新人4氏を破り、初当選した。投票率は62・16%(2021年の前回は62・20%)。町職員経験のない候補者の当選は約40年ぶりで、松本一彦前町長による選挙人名簿の不正利用問題で混乱してきた町政の立て直しを託された。
午後10時前、当選を決めた小林氏が、選挙事務所に集まった支援者らの前に姿を見せた。バンザイし喜びに包まれる中、小林氏は「町民は(混乱に)うんざりしていたと思う。前を向きたいという声を多くいただいた。しがらみのない政治を進めたい」と抱負を語った。
小林氏は衆院議員秘書を経て、横須賀市議を3期務めた。4期目途中で辞職し、今回の町長選に出馬。選挙戦では、一連の問題で生じた住民間の「分断」の解消などを訴え、町政の刷新を求める有権者を取り込んだ。
元町総務課長の細田政広氏(64)は、町議の多くや経済団体から支援を受け「町役場の機能の回復」を主張したが、及ばなかった。竹下英里(55)、世古口裕司(56)、AIメイヤー(50)の3氏は支持の広がりを欠いた。
町議補選(改選数1)は無所属新人の歯科医、山崎佳奈氏(54)が当選した。投票率は62・12%。
当日有権者数は6083人(男2831人、女3252人)。【本橋由紀】