「本人の意思で話さない」被告人質問も黙秘、わずか5分で終了 甲府殺人放火

甲府市で令和3年10月に同じ高校に通う女性の両親を殺害し、住宅を全焼させた殺人放火事件で、殺人罪などに問われた遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の第10回公判が13日、甲府地裁(三上潤裁判長)で開かれた。初めての被告人質問が行われたが、質問に一切答えず黙秘を続けた。公判後、弁護側の関係者が「被告本人の意思で(裁判では)話さない」と、黙秘の実情を明らかにした。
先月25日の初公判でも、本人確認や起訴内容の認否なども含め、裁判長の呼びかけにも一切答えず、完全に黙秘を続けてきた。本日の被告人質問では、被告が初めて事件について話すかに注目が集まり、傍聴券を求める行列もできた。
午後の公判で被告人質問が始まった。だが、証言台で被告は、弁護側からの「今回の事件のことを話してもらうことはできますか」との最初の質問に対しうつむいたまま、一切返答しなかった。その後、「事件をありのままを話せますか」「話したくないということですか」などの質問にも同様の対応で、一切発言せず、わずか5分で被告人質問は終了した。
公判後、弁護側の関係者が産経新聞などの取材に応じ、被告が黙秘を続けていることに、弁護側は話すように、説得しているものの、被告が裁判での発言を拒否していると明らかにした。14日以降も被告人質問が予定されているなかで、関係者は「弁護側は発言するように説得を続ける」と説明した。
被告は事件当時19歳で、実名公表が可能な「特定少年」として、改正少年法の施行後初めて氏名が公表された。