甲府市の民家で2021年、高校の後輩だった女性の両親を殺害し放火したとして、殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた当時19歳の無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の公判が14日、甲府地裁であった。引き続き被告人質問が行われ、遠藤被告はこれまで黙秘していた理由について「社会に戻るつもりがないから」と語った。
遠藤被告は10月の初公判以降、黙秘していたが、この日行われた2回目の被告人質問で初めて発言した。弁護側から「なぜ何も話さないのか」と尋ねられると、「社会に戻るつもりがないからです」と語った。「被害者家族らに二度と関わらないと約束できますか」との検察側の質問には「できます」と述べた。
続いて、検察側が捜査段階の一部供述調書を読み上げた。事件直前までの心境について「後輩女性から付き合えないとLINEがあり、ぼうぜんとした。なぜ既読が付かないのか、ブロックしているのかと思い、絶望から連絡を取れない怒りに変わった。脅迫して強引に(理由を)聞き出すため何かしらの事件を起こすことを決めた」などと供述していたという。
検察側は次回15日の公判で残りの調書を朗読する予定。
[時事通信社]