都内でグミを食べた若者らが体調不良を訴えて相次いで搬送された問題で、このグミの袋に大麻由来の成分に似せた合成化合物の名前が書かれていたことがわかりました。
今月3日、東京・墨田区の駅で20代の男女4人が体調不良を訴えて病院に運ばれ、このうち1人は警視庁に対し「大麻グミを食べた」と話しているということです。
さらに翌日の4日、小金井市で開催された「武蔵野はらっぱ祭り」で10代から50代の男女5人が40代の男性が配っていたグミを食べたところ、体調不良を訴え搬送されました。
その後の捜査関係者への取材で、この2つの事案のグミが大阪府の会社が製造したもので、グミが入った袋に「HHCH」と書かれていたことがわかりました。
「HHCH」は、「ヘキサヒドロカンナビヘキソール」という合成化合物の通称で、薬物に詳しい関係者によりますと、大麻に含まれる有害成分として既に規制されている「THC」=「テトラヒドロカンナビノール」に似せて作られた合成化合物とみられるということです。
現在、国内で「HHCH」は法規制の対象になっていませんが、今後、幻覚作用や記憶障害などの人体への悪影響が確認されれば、規制の対象となる可能性があります。
こうしたグミは通販サイトで購入することができるため、全国的に流通している可能性もあり、警視庁はグミに「HHCH」の成分が含まれているか識別するための鑑定を慎重に進めています。