岸田総理が逆風にさらされています。岸田派含む5派閥のパーティー券収入4000万円不記載の問題が浮上。告発された側の岸田総理は答弁回避の姿勢も、過去の発言との矛盾を指摘されました。また、肝いりの減税策について「出血セールだ」との批判も。
「派閥パーティー券」問題 野党が総理らを追求
新たに浮上した“政治とカネ”の問題。野党が岸田総理らを追及しました。
立憲民主党 大西健介衆院議員「政治資金規正法違反で東京地検に告発状が提出されています。宏池会(岸田派)会長の岸田総理はこの告発状の中で被告発人になっています」
岸田文雄総理大臣「政治資金パーティの対価の支払い者について一部の記載漏れが判明したことから、所要の訂正を行ったと報告を受けている」
告発は、自民党の主要5派閥に関するもの。2018年から2021年の間の政治資金収支報告書に「パーティー券収入の一部を記載していなかった」とされています。
その額は、安倍派で約1900万円、岸田総理が会長を務める派閥では約200万円。5派閥合わせて4000万円近くにのぼっていて、告発状では「裏金」の可能性が指摘されています。
岸田総理「記載しなければならないところ、それが漏れていた。裏金うんぬんというご指摘はあたらないと思っております」
大西衆院議員「報道によると『特捜部が各派閥の担当者から任意で事情を聞いている』という風に言われていますけれども、宏池会(岸田派)の担当者も特捜部から事情聴取されているということでよろしいですか」
岸田総理「個別の案件、捜査に関わるような案件について何か申し上げることは当然控えなければならない、と思っております。捜査当局の動きについて申し上げることは控えます」
大西衆院議員「みんな『捜査が行われている』と逃げるんですけども、私の手元にですね、『岸田文雄国対委員長に聞く』っていう紙があるんですけども」
岸田総理に国対委員長時代の“ブーメラン”も
それは、自民党が野党だった2011年。機関紙のインタビューで当時の岸田氏はこう話していました。
岸田文雄国対委員長(当時)「司法への影響を気にするあまり、立法府が国民に対する説明責任を放棄したならば、三権分立に影響を与えるのではないでしょうか」
大西衆院議員「司法に影響を与えるから国会で説明できないなんてのは、違うこと国対委員長当時言っているじゃないですか」
この“ブーメラン”の指摘に岸田総理は…
岸田総理「説明責任を果たすことは大事であります。しかし具体的な個別の案件について政府の立場、総理の立場から申し上げることは控えると申し上げております」
当時、安倍派の実務を担う「事務総長」を務めていた閣僚らは…
松野博一官房長官「政府にある立場としてお答えすることは、差し控えさせていただきます」
西村康稔経産大臣「誤りがあった場合には訂正がなされるという、それぞれ団体の責任においてなされるべきことだ、という認識をしております」
大西衆院議員「説明をしてください、と言ってるけど今の答弁を聞く限り、全く誰もするつもりがない。政治資金規正法の抜け道となるような手口が自民党の主要派閥の間で広く共有されていたとすれば、大問題だと思います」
「原資なき減税」指摘に総理は
一方、岸田総理肝いりの所得税などの減税、いわゆる「還元策」をめぐっては…
鈴木俊一財務大臣「税収の増えた分につきましては政策経費や国債の償還などについて既に使っているため、減税をするとなると、やはり国債の発行をしなければならないと」
今月8日、鈴木財務大臣が「減税の原資は既になく国債の発行、つまり“借金”となる」と答弁。これを野党が問い質しました。
立憲民主党泉健太代表「これ出血セールじゃないですか総理。これ出血ですよ、間違いなく。しかも総理、これ総理の懐じゃないんですよ。国民の懐から、総理の人気取りのために出血しているセールなんですよ。この国は借金経営をしてるんじゃないですか。そのときに、何で毎回毎回還元セールをしてたら、やっていけないんじゃないですか」
岸田総理「単年度ではなくて、国全体の財政ということを考えますと、国民の皆さんからいただいた所得税・住民税、この減税という形でお返しする。“還元”ということに当たるんだと、我々は思っています」
自民党5派閥の「政治とカネ」 今後は?
藤森祥平キャスター:新たに“政治とカネ”の問題がこのタイミングで浮上しました。問題となっているのは、自民党の5つの派閥で政治資金収支報告書に記載されていなかった点です。
【パーティ券収入の不記載額】(※告発状による) ▼安倍派=約1900万円 ▼二階派=約900万円 ▼茂木派=約600万円 ▼麻生派=約400万円 ▼岸田派=約200万円 合計 約4000万円
小川彩佳キャスター:これに関して、岸田さんは国会で「記載しなければならないところ、それが漏れていた。裏金うんぬんというご指摘には当たらない」と答弁していました。
小説家 真山仁さん:一番大事なのは、同じことを繰り返さないことだと思うんですね。「うっかりミスしました」って言いますけど、4000万円のミスは普通クビです。例えば銀行では“1円”合わないだけで見つかるまでみんな家に帰れません。だから、ミスということになると逃げられると思っているのは大きな間違いだと思います。
小川キャスター:ミスということがありえるんでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:ミスというよりこれは意図的に献金者の名前を出さなかったということですけど、今後の焦点は4000万円で済むのかどうか。私の取材ではもう少し増えてくるんじゃないかと思います。
もう1つは、なぜ名前を隠したのか。献金する人たちは正式に献金しているわけですから、それをなぜ派閥の収入として載せなかったのか非常に謎なんですね。
3番目はこのお金を何に使ったのか。それが裏金でないというなら、ちゃんと領収書があるのかどうかという意味では相当疑問がわいてくるんですよね。ですから22日からの予算委員会でもしっかり解明してもらいたいですね。
藤森キャスター:政治とカネの問題はずっと続いていますが、これを何とかする気概はあるのでしょうか。
真山さん:最終的に総理の責任にすると、また繰り返されるだけです。だから隠蔽したことを自分たちで明らかにしないと、完全に元に戻ってやることができなくなるので、無理やり政局に持っていかれるよりは事実をきっちりと明らかにしてほしいですよね。
星さん:以前からパーティーの問題は非常に不明瞭だと言われてきたので、この機会に法律改正を含めてきちんと対応することは、ある意味では岸田さんのリーダーシップが試される場面だと思います。